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もっと勝つための現代麻雀技術論 第87回「3シャンテン以上の打牌選択③」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第87回「3シャンテン以上の打牌選択③」

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 ドラ

  前回に引き続き、メンツが1つも無い3シャンテンの手牌です。

 「福地本」で取り上げられていた牌姿で、本では切りでもペンチャン落としでもなく、平和がつきやすく受け入れのロスが少ない打がよいとされていました。

  しかし、私は打と打の優劣は微妙ですが、打は明確に損な一打と考えます。

 何故なら、この手はマンズと字牌で面子候補が既に4つあるので、狙う手役の本線は平和ではなく、むしろマンズのホンイツであるとみるためです。

 単騎待ちでもよいとするなら、何らかのマンズか字牌を引けば鳴きだけでテンパイまで持っていけるようになります。

 第85回でも申しましたように、1面子もなくシャンテン数で見るとアガリまで遠い手は、手役があって鳴いてアガリに向かえる手かどうかでアガリ率に結構な差がつくことが予想されます。

 この手牌なら新しくリャンメンができるよりも、浮き牌の字牌を引いた方が、より「よい手」を目指しやすいと言えるのではないでしょうか。

 今回はドラなのでなおのこと一色手をみるべきですが、ドラが他の牌でもよりはソーズを切ります。

 

 一色と字牌で10枚以上あれば一色手を狙うというセオリーがありますが、10枚であっても、面子×2+浮き牌×4であれば、メンゼンで進めてもアガリに結びつくことが多く、メンゼンならリーチがあるので一色手になる打点的メリットも小さくなるので、字牌から切って一色手を狙わないケースも増えます。

 一方、面子候補×4+雀頭であれば、既に4面子1雀頭の候補が揃っていて鳴きだけでテンパイまで持ち込めるので、平場で一色手にしないのは他に手役があって一色手にしなくても高打点になり、一色手を狙うとアガリ率が落ちるケースに限ります。

  一色と字牌の枚数がそこまで多くない場合も、面子候補は多いが面子が無い手の場合は、多く持っている色の一色手になる手順がないかを確認するように意識しておくとよいです。

 特に面子候補オーバーの場合は、「面子候補を落としているうちに他で面子候補ができる」を繰り返して面子候補が次々に入れ替わり、配牌時点では全く見えないような一色手になる可能性もあります。

 前回も申しましたが、浮いているからといって字牌に手をかける前に、本当に字牌より先に切る牌が無いのかを確認するようにしたいですね。

 

 切りと落としの比較については、面子候補オーバーなので先にを引かない限りはを残っている方がメンツを作りやすいというのはありますが、にくっついての678三色変化よりは、を残して123、234三色になる変化の方がまだ現実的であることと、元々アガリに遠い手なのでにくっついてもアガリにまで結びつくケースが少ないことから打の方が若干よいとみます。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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