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ネマタの戦術本レビュー第39回「神眼の麻雀 著:成岡明彦 編集:福地誠 その1」

ネマタの戦術本レビュー第39回「神眼の麻雀 著:成岡明彦 編集:福地誠 その1」

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 問題の牌姿、局面は書籍でご確認下さい。各章の問題ごとに、個人的な回答と見解を述べさせていただきます。

第一章

Q1 打 

 役牌ドラ3テンパイなら流石に押すところ。しかし、残りツモが少ない、通っていないスジが少ない、リーチ者がのリャンメンを手出しで落としてリーチ、変則手も考えにくいことからリャンメンテンパイ濃厚と、降り寄りになる要素自体は結構積み重なっています。

 押すべき手牌、局面で降りてしまうのは損なだけですが、鳴き手でほぼ押すべき手をテンパイしている場合に、考える必要があるとすれば、「仮に降りるとしたら、どんな条件が揃った時か」です。

 大抵は思考が徒労に終わるものではありますが、基本的な押し引き判断が身に付いている打ち手同士であれば、例外的なケースにも意識が回る打ち手の方が実力で勝ることは疑う余地のないところでしょう。

Q2 打 

 確かに残り1枚のが南家の手牌にあることが読めるのであれば、実質ノーチャンスで、悪形待ちにも当たりにくいの方がよりも通りやすいと言えます。ワンチャンスの危険度は、最後の1枚がどこにある可能性が高いかによって危険度が結構変動します。

 手作りや押し引きの基準を持ち合わせること自体は、時間や労力をかけずに、多くの局面で正着を打つために必要ですが、読めるかどうかは別として、たった1枚の牌であっても、その牌が他家の手牌にあることが分かるのであれば選択が変わるケースは多々あるということは意識しておきたいです。

 ただし、南家がどうして最後のを持っていたことが分かったかについては特に言及されていません。邪推になりますが、南家はでアガリ逃したために一瞬表情が曇ったり、手が止まったりしてしまったのかもしれません。そうだとすれば、単なるトイツ落としであればノータイムで切られるはずなので、の空切りを見抜くことも実戦で同卓していれば可能であるといえます。

 「その場で打っていなければ分からない。」読みを重視して平面的な打牌判断を軽視するタイプの打ち手がよく使う言葉ですが、結局のところは今回の問題のようなケースがあるからなのかもしれません。

 しかし、「その場で打っていなければ分からないことが何なのか、そしてそれがどのように打牌判断に影響するのか」を説明している打ち手は、プロ雀士であってもほとんどいないのが現状です。実力者だけでなく、表現者が求められている。「もっと勝つための現代麻雀技術論第125回」でも取り上げましたが、改めて感じさせられるところです。

本記事に関するご紹介

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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