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ネマタの戦術本レビュー第136回「よく分かる麻雀の勝ち方 著:平澤元気 その7」

ネマタの戦術本レビュー第136回「よく分かる麻雀の勝ち方 著:平澤元気 その7」

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技術18

 フーロ基準については、「現麻本」でも紙面を多く割いて扱わせていただきました。一昔前はフーロ率が35%もあれば相当鳴いている部類に入りましたが、現在ではとにかく鳴きまくるタイプの初心者というわけではなくても、フーロ率が45%前後ある人も見受けられるようになりました。

 ただ、個人的な見解としては、そこまでフーロ率が高いとなると、大損ではないとはいえ鳴かない方がよい手牌で鳴いていることが多いように思われます。

 昨今の麻雀戦術は確かに鳴きの重要性について語られることが多くなっていますが、その中で「鳴くべき」とされているのは、多くの場合5ブロックが揃っていて鳴くとシャンテン数が進む場合で、ブロックが足りてない場合やシャンテン数が進まない場合はむしろ一部の特殊な例としてあげられています。

 鳴きに関する講座はどうしても鳴いた方がよい例を中心に取り上げることになるので、「メンゼンが王道」という一昔前の価値観とは無縁な方が昨今の戦術書で麻雀を学ぶとどうしても鳴き過ぎる傾向があるのかもしれません。

 手作りの基準がそうであったように、フーロ基準もブロック数や雀頭の有無でも変わってくるということを押さえておきましょう。

技術19

 役牌のポンテンがきく完全1シャンテンと役牌の片アガリテンパイならアガリ率自体にもそこまで差がつかないので、牌姿Aは6巡目ならまだスルー、牌姿Bは終盤ならテンパイ料だけでもよしとして鳴くくらいと考えます。

 牌姿Cは典型的なシャンテン数は変わらないけど仕掛けた方がよいケース。ピンズがなら、仕掛けがきく以上鳴いた方がアガリやすくはありますが、のみよりは一発ツモ裏もあるリーチのみの方が高打点になるので基本スルー。打点を上げるメリットが低い局面なら鳴きます。

 牌姿Dはシャンテン数が進むけど鳴かない方がよいケース。中盤以降更に1手進んでも、リーチが入ると、「降りたいけれど安牌が少なくて降りにくい」手牌になる場合はスルーというのが一つの目安。

 もスルーする手はありますが、アガれるとしたらほぼ白をコーツにした場合に限られるので、白は鳴くがその後は他家に比較的安全な牌を残しやすいように進めることをお勧めします。

 牌姿Eは序盤なら、リャンメンから鳴くくらいならメンゼンリーチによる打点の上乗せをみてスルーします。ただし先手をとられた場合は押し引き判断が難しくなることもあり、自信がないうちは早めにテンパイを入れておくというのも一つの考え方です。

 牌姿Fは白も鳴かない手もありますが、鳴いたうえでいっそドラ色、あるいは最も場に安い色のホンイツに染める選択もあります。牌姿Dのように、「降りたいけれど安牌が少なくて降りにくい」

 手牌になりがちな場合は、単に鳴かないと決めてしまうより、アガリ率は低くても打点や守備力を残すことで、鳴いてアガリを目指していける手組にできないかを意識されることをお勧めします

本記事に関するご紹介

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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