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ネマタの戦術本レビュー第144回「天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた。 著:ASAPIN その4」

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テーマ4「山読みはどのくらいできるか」

 と全て手出しで切っている場合、が持たれていないことについては高い精度で読めますが、が持たれていることについてはそこまであてにはなりません。何故ならを持っていなくても、より役牌を優先して残すことは珍しくはないためです。役牌重なりのメリットをあまり評価せずメンゼンリーチを優先するタイプの打ち手であれば若干を持っていることが多くなるという程度でしょうか。一般的に、「特定の牌を持っている」という読みは、「特定の牌を持っていない」という読みより難しく、高い精度で読むためにはより限定的な情報が必要になります。

 これが役牌の代わりに客風であれば、を持っていないのにより客風を残すケースは限定的なので、を持っているという読みの精度も高まります。次のテーマでも出てきますが、「逆切り」というより限定的な情報があるので、「持たれている」という読みが可能になるわけです。もちろんこれも1打目には字牌を切らないつもりで打っている打ち手であればあてにならないことになります。

 を切っているからは持っていないにしても、もしを持っていれば後々を引いた場合は手牌に残されることになるので、巡目が経つにつれて「持っていない」という読みの精度は下がります。一方、序盤でを切っているなら後にを引いた場合はツモ切られることが多いので、巡目が経ってもは持たれていない可能性が高いと言えます。順子を構成しにくい外側の牌ほど、他家の手牌にあるか山に残っているか、牌の在処が分かりやすいですね。先日レビューいたしました続平澤本でも言及されていましたが、山読み自体はそれほど高い精度で出来ることは多くなく、アガリ率の上昇にそこまで寄与するわけではないですが、在処が分かりやすい受けを残すことを意識することで、テンパイはしたが山に残っていない待ちが残り、結果的に押し返されて放銃してしまうことや、他家に先制テンパイを入れられた場合に安牌に窮して放縦してしまうといったケースを自然と減らすといった守備面におけるメリットも期待できます。

 強者ほど先制テンパイ率が高い傾向にありますが、先制テンパイ率が高いからといってその打ち手が必ずしも強者と言うわけではありません。山読みを過度に信頼すべきではないですが、待ちになった時により強い受けを残すという細かい比較の積み重ねが、テンパイ関連については似たような傾向のデータが出ている打ち手同士であっても戦績の差として表れているのではないかと私は予想します。

 基本的に出アガリが期待しやすい待ちは山にも残っていることが多いので、チートイツテンパイは比較的出アガリしやすい単騎に受けることを優先します。あまりに目立つ河で、面子手を想定することが難しいくらいにチートイツに見えるので読まれやすいと判断できるなら中張牌でも比較的山に残っていそうな牌で待ちますが、ケースとしてはそれほど多くなく、ある程度読みができる打ち手が相手だとしても、1枚切れの字牌といった牌は怪しいとは思っていても止めづらい牌なのでそこまで気にすることはないと思います。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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