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ネマタの戦術本レビュー第194回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その1」

ネマタの戦術本レビュー第194回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その1」

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例題1

 雀頭を作りやすい面子候補が無い場合に、雀頭を固定してリャンメン×2の2面子形1シャンテンに受けるか、面子を固定してヘッドレス1シャンテンのどちらに受けるかについては、「もっと勝つための現代麻雀技術論」第37回でも取り上げましたが、ここで取り上げた内容以外に考慮に入れる要素として、ヘッドレス形1シャンテンに受けた後で、よりよい2面子形1シャンテンになる手変わりがあります。

 本書では雀頭固定の打を推奨していますが、打とした場合、ツモのタンヤオ変化に加えてツモで雀頭を固定してより高打点の2面子形1シャンテンになる変化があります。打でもツモ以外にツモで高め345三色になる変化がありますが、高め2つの三色安めピンフよりはタンピンの方が平均打点で勝るので手変わりとして弱いです。

 基本手順として、面子よりも雀頭を優先するケースとして押さえておきたい内容ではありますが、今回の牌姿に関しては面子固定に分があるとみます。

例題2

 字牌の扱い方については、「もっと勝つための現代麻雀技術論」第145回でも取り上げましたが、基本的に自分の手牌にとって他の数牌より必要かどうかで判断すれば十分です。文中の牌姿を少し変えて

であれば、今度はリャンメンターツができるよりも、字牌重なりからホンイツの目ができる方がはっきり価値が高いので打とします。

 ただしいずれにせよホンイツであがれることは少なく字牌から切っても大きく損するわけではないため、細かい手作りを考える以前の段階では、序盤は目一杯構えるものと教えた方がよいとは思います。

 問題の牌姿からは私もスルーしますが、これは、単に序盤で満貫が見えて、鳴いてもまだ1シャンテンだからというわけではありません。は面子にできれば強いので実質面子候補として考えると面子と面子候補が5つあることにあり実質面子候補オーバーなので、マンズはカンチャンとはいえ急所とはいえず、しかも雀頭が無いのでスルーしても手が進むツモが多いからです。

 これがを含めてちょうど面子候補が足り、雀頭がある

であれば、序盤とはいえはチーします。安牌を残すかどうか、鳴くかどうか、どちらにせよ4面子1雀頭をどこで作るかを意識せずに安易にセオリー化しようとするとミスしやすいです。

 初心者のうちは基本としてまずは分かりやすいセオリーを押さえることも必要ですが、本書を参考にされるような方は今一度、4面子1雀頭に関する知識をおさらいすることをお勧めします。

本記事に関するご紹介

前著「黒いデジタル麻雀」で概念的に説明された戦術論を具体的な局面に落とし込んで解説しています。41の例題が収録されていますが、それらは決して単なる何切る問題ではなく、何を切り、何を考えておくべきかを問うています。ハイレベルになった現代麻雀において勝ち続けるにはここまで深く考えなければいけないのかと驚かされます。
 
石橋 伸洋 (著)
発売日:2016年10月26日
定価:本体1,490円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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