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ネマタの戦術本レビュー第200回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その7」

ネマタの戦術本レビュー第200回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その7」

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例題13

 麻雀は自分のアガリが近い手牌ほど、また高打点が狙える手ほど、正着が打てるかどうかで結果に大きな差が出ます。ですから高打点が見込めるテンパイ時の待ち選択は、よりよい待ちを選べるように特に慎重になるべきです。しかし、どのような局面でも同じテンポで打つのが望ましいというのもまた事実です。テンパイの時点で待ち選択に迷うと、他家から迷う余地があるような手牌であったことが読まれやすくなります。

 肝心な局面でミスをせず、なおかつ一定のスピードで打てるようになるために心がけるべきこと。それが本書でも取り上げられている。迷わずにノータイムで打てる時に予め後々の選択について考えておくことと言えます。従来の戦術書は、迷う局面で何を切るかを考察する形式を中心にしていたので、迷う前に考えておくという実戦的な技術が身に付きにくかったかもしれません。

 メンゼンテンパイでリーチを打つ場合、リャンカンの選択については、直接の出アガリやすさやツモりやすさに明確な差がなければ、将来スジやノーチャンスになりやすい待ちでリーチするようにします。このような待ち選択が効果的に働くことはあまりないと思いますが、テンパイからのリャンカンの選択自体は出現頻度が極めて高く、ドラドラのテンパイという時点で少しのアガリ率の差でも結果には影響が出やすいので、案外軽視できない差がつくかもしれません。

例題14

 1手進んだところで、安牌があったとしても押し有利にはならないような手牌で他家からリーチが入った場合は、安牌が無い場合でもなるべく失点を避けられるように、安牌を水増ししてでも降りる選択が有力です。逆に言えば、テンパイさえすればまずまず押せる1シャンテンで安牌が無い手であれば、下手に降りるくらいなら押した方がよいでしょう。
 
 アンコスジが他の無スジより危険と言われるのは、その牌を待つような面子候補が面子になりにくいので待ちとして残りやすいため。つまり待ちが絞りにくい序盤であればさほど気になりませんし、最序盤であればシャボ待ちに当たらないことから通常の無スジよりむしろ安全になるまであります。

 逆に言えば、待ちが絞りやすい河である場合ほど、アンコスジであることによる放銃率の上昇も大きくなります。そのようなケースは現物やスジが無くても、大体通っていると読める牌があることも多いので、「安牌が無いからアンコ落とし」あるいは、「安牌が無いから真っ直ぐ押す」と決める前に、よりよい選択肢が他に無いか今一度確認されることをお勧めします。

本記事に関するご紹介

前著「黒いデジタル麻雀」で概念的に説明された戦術論を具体的な局面に落とし込んで解説しています。41の例題が収録されていますが、それらは決して単なる何切る問題ではなく、何を切り、何を考えておくべきかを問うています。ハイレベルになった現代麻雀において勝ち続けるにはここまで深く考えなければいけないのかと驚かされます。
 
石橋 伸洋 (著)
発売日:2016年10月26日
定価:本体1,490円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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