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ネマタの戦術本レビュー第202回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その9」

ネマタの戦術本レビュー第202回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その9」

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例題17

 リャンメンテンパイで現物1枚のみと、局面上はかなり押し寄りですが、点数状況的にはダンラスの親からのリーチで、トップはほぼ無理な2着目とかなり降り寄り。このような複数の要素が絡んで押し引き判断に迷う場合は、河の情報が押し引き判断の鍵を握るケースも増えます。

 ダンラスの親リーチとなるともちろん降り寄りにはなりますが、相手の立場からすればとにかくアガリを目指す必要があるので、河の情報が少ない場合は良形高打点テンパイのケース自体低いもの。ラス目のリーチだからといってすぐ降りがちな人は、情報の少ないリーチに対してすぐに降りる以外の選択肢が無いか、逆にテンパイからなかなか降りられない方は、情報が多いリーチに、降りる以外に回し打ちする選択肢が無いかを意識しておきたいところです。

例題18

 先制リャンメンテンパイであればそのままアガって終了することも多いので、結果に影響しやすい考慮すべき要素はそれほど多くないものですが、例題13で取り上げられたように、ノータイムで打てることが多い時こそ、細かい選択の差にも気を遣うことが一段上のレベルを目指すうえで重要になります。

 基本的に、切る牌が面子候補の一部となるような待ちでない場合は、他家から見てそのような待ちであるとミスリードした方がよいので空切りが有力になります。ただし、を空切りした数巡後に更にを引いた時も空切りするなど、他家からみて既にテンパイの濃厚なところから手出しを入れると、面子の一部からの切り出しで無ければ不自然に見えるので空切りが読まれる恐れがあります。このような場合はツモ切りがよいでしょう。

 マンズを引いた場合の選択について。確かにカンによる打点上昇の恩恵は低い手ですが、先制リャンメンテンパイなら自分のアガリで終われることが多いので私ははカンします。ホンイツ変化は2翻アップなので、チーテンでも良形テンパイにとれる変化が多いツモに関してはテンパイを外してそうです。

 ただし、あがれなかった場合の失点があるので、1000点から3900点を目指す手変わりについては、見た目の打点こそ4倍になりますが、実質は2倍強というところ。今回は序盤かつ平場なのでテンパイ外しに分があるとみますが、残り局数が少なく着順争いをしているケースではテンパイを外すべきでないことが増えます。リターンは大きいけどリスクも高い選択ほど、局面に応じて適切な選択をしなければ損失も大きくなるので、手牌の形だけで判断すべきでないですし、自信が無いうちはより無難な打牌(今回であればテンパイ取り)を選んだ方がいいかもしれません。

本記事に関するご紹介

前著「黒いデジタル麻雀」で概念的に説明された戦術論を具体的な局面に落とし込んで解説しています。41の例題が収録されていますが、それらは決して単なる何切る問題ではなく、何を切り、何を考えておくべきかを問うています。ハイレベルになった現代麻雀において勝ち続けるにはここまで深く考えなければいけないのかと驚かされます。
 
石橋 伸洋 (著)
発売日:2016年10月26日
定価:本体1,490円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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