例題25
本書で取り上げられているような詳しい読みを実戦で行うことは困難ですが、が雀頭だとするとからを切っていることになるので、ドラが出て行く受けよりはへのくっつき変化を優先、はのような面子候補の一部に限定されますし、が暗刻だとすると単騎待ちが残るのが不自然であることから安手である可能性が高い。の形は有り得ないのでで放銃しても安いことくらいならそれほど難しくないと思います。
この局面なら自分のアガリ目はないので、考えるべきことは、下家に放銃しても安いと分かる牌は差し込みにいく、高打点のケースがあるものについてはまだ切ることはないですが、親リーチが入ってリーチには通る牌であれば、損得勘定をふまえたうえで差し込むこともあるというところ。読めることで判断が変わりうるケースだけでも読むようにすれば、少ない労力でも効果が得られやすいのではないでしょうか。
例題26
前巡にを切っているので、が安牌要因としての浮き牌であるとは考えにくい。を切っているのにを切ってリーチだと、面子候補の一部だとするとのケースが多く、スジであってもがかなり危険になることは有名ですが、今回はが4枚見えでそのケースは否定されます。が3枚見えなので、暗刻のケースも有り得ず、シュンツの一部だとすると例題21で取り上げたように打の時点でテンパイしていることになるのでこれも考えにくいです。
そうなるとやのケースくらいしか考えられず、だとするなら、を残す理由は678三色狙い。ここまでパターンが絞れるのであればはむしろ本線なので、一見の方が通りやすそうですがここではを切っていくことになります。
「◯◯はレアケースだから気にしなくてよい」とはよく言われますが、一般論としては正しくても、実際の局面でも成り立つと言えるかどうかは、「◯◯でないケース」が容易に想定できるかどうかを検討する必要があります。
の順で切られた場合、待ちは少ないというのは一般的には言えますが、今回はそもそもを宣言牌まで持っている例がかなり限られるため、一般的にはレアケースとされる逆切りがむしろ本線になるのです。当たらない理由ばかりを先に考えてしまうとこの手の例に気付きづらくなります。
今回のように一見では残されている事に違和感を覚えるような牌が手出しで出て来た場合は、残すだけの理由も限定しやすく、その分待ちも読みやすいのですから意識しておきたいところです。