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ネマタの戦術本レビュー第209回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その16」

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例題31

 例題30のスライドはが4枚見えであることから空切りを否定できましたが、そうでなければ空切りの可能性が残ります。ただそれでも、手のうちで使っている空切り牌よりはスライドする牌を引く可能性が高いうえに、空切りには一手間かかることもあり無意識のうちにツモ切られることが多いものですから、空切りが癖になっている打ち手もなければ、スライドの可能性の方が高いということは言えます。

 この読みを逆用するのが今回の例題の狙い。空切りできる牌の片スジに相当する牌が待ちとして残るケースであれば空切りが有効になることが言えます。相手が空切りの可能性に気付いていたとしても、スライドの可能性が否定できるわけではないので損することのない選択。細かい差であっても、するに越したことのない手筋であれば積極的に活用したいところです。

例題32

 「遅い捨て牌」については、たまたま他に不要牌が無いだけの早い手であるケースを否定できませんが、「早い捨て牌」については、他家がアガリを目指しているという前提であれば読みやすいと言えます。

 西家については、よほど遅い手でなければ生牌の役牌から切られること自体は珍しくないので、「遅い手ではなさそう」くらいしか分かりませんが、東家についてはドラを切っているうえに落とし。後で言及されていますが手出しはスライドの可能性が高く、その場合からの切り出し。手作りの確認になりますが、ドラ字牌やの中ぶくれ形は、2シャンテン以上に遠いところから切られるケースは稀ですので、東家は1シャンテンになっているとみてよいでしょう。

 一方こちらはまだ4シャンテン。先制を取ることも、先制されたうえで押し返せる手牌になることもほぼ無い以上、少しでも安牌を抱えて放銃のリスクを避けるのが賢明であると判断できます。

 今回は序盤で特に目立った動きもないので、精々1シャンテンの可能性が高い程度までしか分かりませんでしたが、場合によってはダマテンを読めるケースもあります。

 テンパイ相手に、ノーテンからはまず切られないようなかなり危険度の高い牌を切っている他家がいる場合は分かりやすいですが、明確なテンパイ者がいない場合でも、手作りのうえで1シャンテン以前とは考えにくい牌を切ってきた他家から更に手出しが入れば、それがシャンテン変わらずの変化や空切りのケースでなければダマテンであることになります。

 一般的にダマテンかつ高打点の手牌が入ること自体はレアケースですが、ダマテンでないケースを想定しにくいのであればレアケースとは言えません。例題26同様、違和感のある手出しに着目できるようにしておきたいところです。

本記事に関するご紹介

前著「黒いデジタル麻雀」で概念的に説明された戦術論を具体的な局面に落とし込んで解説しています。41の例題が収録されていますが、それらは決して単なる何切る問題ではなく、何を切り、何を考えておくべきかを問うています。ハイレベルになった現代麻雀において勝ち続けるにはここまで深く考えなければいけないのかと驚かされます。
 
石橋 伸洋 (著)
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この記事のライター

麻雀ウォッチ編集部
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