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ネマタの戦術本レビュー第213回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その20」

ネマタの戦術本レビュー第213回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その20」

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例題40

 リーチには当然降りるとして、安手が確定している南家には放銃した方が都合がよいので、ここではリーチに通り、親にも鳴かれない打がよいことになります。これは分かりやすい差し込みにいく例と言えます。

 南家が上家から3つ、東家が対門から1つ鳴いているので、1+1+1−2=1より、現時点でハイテイが回るのは西家。北家である自分が南家からポンすれば1+2=3でハイテイは東家になります。リーチしている西家よりは東家にハイテイが回る方がよく、東家が危険牌を引いてテンパイを崩す可能性もあるのでポン有利になります。

 例題373839に引き続き、誰にハイテイが回るのか、誰にハイテイが回った方がよいのかを意識する問題でした。

例題41

 例え実戦ではテンパイ気配を直感的に察知できる打ち手がいるとしても、このがダマテンに放銃することを読むこと自体は不可能と思います。しかし、トップはおろか2着すら満貫ツモで届かないとなると、ここで連荘するより3着を確定させる方がよい。が通るとは限らないからなおさら流すべきと判断してを止めることはさほど難しくはありません。緻密な損得勘定が、結果的にファインプレーを起こすことは決して珍しいことではないでしょう。

 本書にある通り、「麻雀で勝つこと」は、むしろ「損を増やさないこと」と言った方が近いかもしれません。

 損を増やさないというと格好が悪いかもしれませんが、勝つという言葉にとらわれると、少なくともプラスで終わりたいという心理が働いてしまい、今回のような3着確定で終わらせる選択をやりづらくなります。勝ちたいと思う心が起こるのは致し方ないことですが、勝ちたいではなく、取りうる選択肢の中でよりよいものを選び取るべきであることを肝に銘じておきたいものです。

 本書のレビューはここまでです。次回が今年最後の更新になるので、久々に麻雀クイズを出題します。

 麻雀牌136枚のうちX枚を取り出す。どのようにX枚を選んでも、その中から14枚のアガリ形の組み合わせが作れるようなXの最小値はいくつでしょうか。

本記事に関するご紹介

前著「黒いデジタル麻雀」で概念的に説明された戦術論を具体的な局面に落とし込んで解説しています。41の例題が収録されていますが、それらは決して単なる何切る問題ではなく、何を切り、何を考えておくべきかを問うています。ハイレベルになった現代麻雀において勝ち続けるにはここまで深く考えなければいけないのかと驚かされます。
 
石橋 伸洋 (著)
発売日:2016年10月26日
定価:本体1,490円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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