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ネマタの戦術本レビュー第217回「押し引きの教科書 著:福地誠 その3」

ネマタの戦術本レビュー第217回「押し引きの教科書 著:福地誠 その3」

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 「親だからリーチ」とはよく聞きますが、実はこの言い回しには注意する必要があります。

 確かに、「放銃のリスクを考慮するとリーチするかどうか微妙」な局面、手牌であれば、親に放銃することがない分放銃失点の低い親の方が、子よりもリーチ寄りであると言えます。

 では、「高打点テンパイへの手変わりを考慮するとリーチするかどうか微妙」であればどうでしょうか。これなら、手変わりを目指したために、即リーチしていれば降りていた他家にテンパイされた結果放銃した時の失点の低い親の方が、子よりも手変わり待ち寄りになると言えるのではないでしょうか。

 実戦での出現頻度は前者の方が多いため、「親だからリーチ」が間違いになることは少ないですが、何故そのセオリーが成立するといえるのかという理由について、改めて確認しておきたいところです。

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 「ドラドラだからリーチ」もよく聞きますが、これも注意が必要な言い回しです。

 リーチをしない理由が、「放銃のリスク」「高打点テンパイへの変化」であれば、確かに高打点の手牌の方が低打点よりもリーチ寄りです。

 では、「良形テンパイへの変化を考慮するとリーチするかどうか微妙」であればどうでしょうか。手変わりを目指してテンパイが遅れると、その分他家にテンパイされることも増えるので、他家の和了率も上がることになります。他家の和了率を上げてでも自分の和了率を上げたいのは、自分が高打点の場合ですから、低打点の場合よりも手変わり待ち寄りになると言えるのではないでしょうか。

 これもやはり実戦での出現頻度は前者が多く、後者の場合も明確に判断が変わる例は多くはありませんが、よく用いられるセオリーでも、実は別の一面からみると正しいとは言えないことが結構あるものです。基礎を学ぶ段階であれば分かりやすいセオリーを身につける必要があるとはいえ、実戦では常に、打牌同士の比較であることは意識しておきたいですね。

本記事に関するご紹介

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発売日:2016年12月20日
定価:本体1,200円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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