第1章
敵のノーテンを見抜く2大法則
1 麻雀は何が読めるかより、読んだ結果どう判断を変えるかの方が重要です。ノーテンの他家に対しては何を切っても放銃することがないのですから、押し引き判断に大きな影響を与えます。「間があって字牌切りはノーテン」は、単騎待ちでなければノーテンは確かに言えます。ただし、鳴いても高打点になりやすく守備力が残りやすいホンイツは雀頭が無いところからの鳴き、雀頭が鳴くなる鳴きも多用されるので、単騎待ち自体はレアケースというほどではないとみます。
2 文中には記載されていますが、手の内からカンしてすぐツモ切りリーチが入った場合の話です。すぐリーチが入らない場合は良形残りだけどテンパイにはまだ遠いのでカンを保留したケースを否定できません。①のように、ノーテンから字牌を引いて河を確認するために手が止まるというのは、どんな打ち手でも少なからず見られる現象なので読みの信用度が高いですが、カンの基準は人によってかなりまちまちなので、対戦相手の打ち筋を知っていることが前提でなければ信用度は低そうです。
敵のテンパイを見抜く2大法則
①「引いた牌を加カンしない他家はノーテン」であれば、カンの基準がまちまちとはいえ多くの打ち手、局面で成立すると言えそうです。ただし、「引いた牌を加カンしない他家はノーテン」が真であっても、「ノーテンなら引いた牌を加カンしない」(逆)、「引いた牌を即加カンしたらテンパイ」(裏)は真とは限りません。成立するのは、「テンパイなら引いた牌を加カンする」(対偶)です。
真とは限らないとはいえ、逆や裏についても真である傾向があることは言えるので、あくまでそのような傾向があるという意味で簡潔な表現に留めたのであると思います。ただし、ただ言葉を簡潔にするだけでは却って誤解を生むこともあります。
打ち手の読みそのものは実は誤りではなかったが、それを簡潔に、一般化して表現しようとしたために誤りが生じてしまったものも、従来の読みのセオリーには多々あります。確かに日常会話の中では、このあたりの言い回しはあまり厳密には区別しませんし、厳密にしようとすると、多くの読者にとってとっつきにくい内容になることも考えられます。このあたりの問題をどう解決していくかは、今後の自分にとっての課題でもあります。
3 これも、「間があって字牌切り」が真であっても、「ノータイム字牌切りはテンパイ」は真とは言えません。真になるのは、「テンパイならノータイムで字牌を切る」です。
何を迷ったかについても、このあたりは打ち手によって結構違いが出そうです。私なら、p42の牌姿ならほぼノータイムで西を切りますし、逆にが手牌にあまり必要でないなら、先にを切ることでの回りを他家に通されやすくなることを嫌って、迷ってを打つことが結構あります。これも対戦相手の打ち筋を予め確認しておく必要があると言えそうです。