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ネマタの戦術本レビュー第299回「手作りと押し引きの鉄戦術  著:福地誠 その6」

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Q16 打

 ドラならカンテンパイを逃すツモでも、鳴いて3翻まであるくっつき1シャンテンの方がよいとみて切ります。鳴いて1翻と2翻だとあまり差がつかないので、周り以外がドラで祝儀無しのルールであればを切ることが多そうです。 

Q17 打

 字牌単騎が良形とされるのは出アガリやすさにあるので、ホンイツが明白な3フーロをしている時点で字牌単騎は良形とは言えません。メンツと雀頭ならどうしてもメンツを優先しがちなため、雀頭が無い場合のこの手の受け入れ見落としはよくあります。 

Q18 打

 を切れば1シャンテン、タンヤオは二手先の変化ではありますが、序盤かつ、何らかの中張牌を引くだけでタンヤオがつくとなればペンチャンを落とすところです。メンタンピンに456三色となればまさに「ペンチャン落としの魔法」です。

Q19 打

 選択肢の中にありませんが、実は打より打の方がよいのではないでしょうか。打の方が受け入れは4枚多いですが、打としてツモは1シャンテンを逃すとはいえタンヤオがつきやすくなります。

 また、引きでもタンヤオがつきやすくなります。一方打としてツモは単なる無駄ヅモ。ペンチャン残しはやりにくい選択ですが、いずれにせよソーズが伸びればは外すことになるので、アガれた時に高打点になりやすい方が有利と判断しました。

Q20 打

 「タンヤオがつく浮き牌はタンヤオがつかない面子候補より残す」。ツモこそリーチイーペードラ1のまずまずのテンパイを逃しますが、1シャンテンにはなるので無駄にはなりません。特定の牌を引くことより、その牌を引かなかった場合に有利な打牌を選ぶように意識していると、シャンテン戻しをした方がよいケースを見極めやすくなります。

Q21 打

 こちらは0面子3トイツにつきメンツ手もチートイツも3シャンテン。チートイツを見切ってもメンツ手のアガリやすさは大差ないのでチートイツは残します。タンヤオがつくメンツが出来れば打、つかないツモなら打というように、「どこでメンツが出来るかで次に切る面子候補が変わる」ので6ブロックに受けます。

 「棒テン至上主義者」が増えているというよりは、「棒テンならできる打ち手」が増えているというのが実際のところだと思います。私は「棒テンすらできない打ち手」であった時期が長いですが、手役を見ることだけに関しては、長年麻雀を打つだけでも身に付きました。

 「麻雀に三色はない」というのは、手役を見ることはできるが、どうすれば4メンツ1雀頭を効率よく作れるかを身につける機会がないまま何となく打っている打ち手向けの格言です。

 先に4メンツ1雀頭の作り方を身につけて、「棒テンならできる打ち手」にとっては、狙うべき手役も見落としてしまうことが増えてかえって逆効果ではないでしょうか。狙うかどうかは別として、序盤は出来そうな手役について頭の片隅にでも意識しておくことをお勧めします。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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