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ネマタの戦術本レビュー第336回「麻雀 定石「何切る」301選  著:G・ウザク・福地誠 その9」

ネマタの戦術本レビュー第336回「麻雀 定石「何切る」301選 著:G・ウザク・福地誠 その9」

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 Q73〜75

 並びトイツや飛びトイツの形は1手進んでシュンツ+メンツ候補になり他の部分が雀頭になるケースもあります。Q73は部分的な形だけみて打とリャンメン固定とするとツモのテンパイを逃します。
 Q74も同様の理由で打とするとツモのテンパイを逃しますが、は流石に残すところ。ツモでもくっつき1シャンテンになるので巡目に余裕があれば打もありますが、今回ならツモでも即リーチが有利になりやすいとみて1シャンテンには取ります。
 Q75は一転してくっつき1シャンテン。単純にくっつきが弱いを切ります。

 知識に基づかない勘があるわけではありません。とりわけ麻雀界は概念を言葉で区別することをやってこなかったので、文章化された知識とは独立した「勘」があたかも存在するような気になっているだけではないでしょうか。

 Q76〜78

 Q76、77は現麻第37、38回で取り上げているような、面子固定してヘッドレス1シャンテンか、雀頭固定で2メンツ形1シャンテンに受けるかの問題。雀頭を作りやすいメンツ候補があるのでメンツ固定の方がアガリやすいですが、打点で明確に差がつくのであれば雀頭固定を選びます。
 Q78は一見単独トイツが無いので雀頭固定の打としそうですが、雀頭のカン雀頭のカンのどちらとでも取れるのでリャンメン固定の方が良形テンパイになる受け入れが多いので有利。これも、他に雀頭が無い形で、の6枚にがくっついているので、本書で言うところのウイング8枚形の一種です。

 一定以上の実力に達すれば、どんな技術にせよ成績に大きく影響しなくなるのが麻雀です。どの技術も独立したものではなく互いに関連したものですから、素早く答えを出せるようになることは無駄にはなりません。

 Q79〜81

 「連続形があれば面子固定」と表現されることもありますが、Q79の形に関しては通常のメンツ候補よりも雀頭が作りにくいので、こちらではあくまで、「雀頭を作りやすいメンツ候補」と表現するようにしています。Q80は打点差が大きいので雀頭固定。Q81になれば打点は大差無くアガリ率では大差がつくので面子固定とします。

 他の対戦ゲームであれば、「セオリーそのものを鵜呑みにする初心者」も、「セオリーを軽視する自称上級者」もあまり見受けられません。麻雀より実力差がはっきりするので、そのような誤解がすぐ解けるからというのもあるかもしれませんが、麻雀界も戦術を発信する側の人間が、もう少ししっかりしなければならないとも思うことです。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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