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ネマタの戦術本レビュー第337回「麻雀 定石「何切る」301選  著:G・ウザク・福地誠 その10」

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 Q82〜84

 Q82はメンツ固定と雀頭固定の比較で、例外的に雀頭固定を選ぶ形のそのまた例外でメンツ固定を選ぶ形。打点差が無ければ雀頭固定を選ぶ形とはいえアガリ率では微差なので、高打点変化で勝る面子固定がよいということです。理屈は簡単ですが、実戦で気付けるがどうかがポイントとなります。

 Q83、84は悪形含み。悪形メンツ候補を外すと、テンパイ時に必ず良形テンパイになるヘッドレス形になるなら、大抵はそうした方が有利になります。

 「麻雀に正解はある」と言うと、「特定の選択が絶対の正解である」と誤解する方も多いのかもしれません。絶対なのは、「正解がある」ことであり、正解そのものは、状況の変化で容易に変わり得るのが麻雀です。
 変わり「得る」ですので、状況の変化で正解が必ずしも変わるわけでは無いことにも注意が必要です。人の目からは分かりやすい状況の変化で、正着がきっちり分かれるというのも実はあまり多くありません。変化に対応すること自体は必要ですが、安易に判断を変えるのはミスのもとです。

 Q85〜87

 どんなに手広い1シャンテンでも、リャンメンテンパイほどアガリやすくはなりません。よって完全1シャンテンよりも手広くアガリやすい1シャンテン同士の比較になると、受け入れ枚数には関係無くより高打点になりやすい選択が有利になります。Q85はその典型例です。
 逆に言えば、リャンメンテンパイよりも価値が高い1シャンテンも稀です。Q86がツモではなく、ツモあたりならツモ切りもありそうですが、それならなおのことQ85はを残した方がよいということになります。
 Q87は1シャンテンからカンをしない典型例ですが、カンツがの代わりにであれば、単騎待ちの可能性ができるとはいえ打点面で大差なのでカンします。
 
 セオリーはどのような局面でも成立することを保証するものではありません。むしろ、どんな卓上の情報があれば判断が覆るかに思考を集中させましょう。

 Q88〜90

 Q87に引き続きカンするかどうかの判断。Q88、89のようなヘッドレス1シャンテンであれば先制しやすく他家にカンドラを乗せるリスクは低いので、結局のところメンツが出来てテンパイした場合にかえって手牌の価値が落ちるケース以外はカンした方がよいでしょう。

 Q90はくっつき1シャンテン。これも先制しやすいのでテンパイ時の手牌の価値と相談。今回は既にドラ雀頭なのでカンドラで打点を上げるメリットも低いことから待ちの強さ優先で打としましたが、カン側は1回多くツモれて、テンパイ以外でもより強い浮き牌を引くことも考慮すると、ドラ1まではカンに分がありそうで、今回も実はカンの方がいいかもしれません。ただ後手を引いた時の押し引き判断が難しくなるので、迷ったらカンは控えるのが無難ではあります。

 実戦でいつセオリー通りの判断を覆すかを的確に判断するためには、まさに座学の段階でセオリーを体で覚えておく必要があります。座学と実戦、どちらも重要です。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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