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ネマタの天鳳日記 第160回

ネマタの天鳳日記 第160回

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01

 東家はアンカンの後にツモ切りリーチ。を4枚持っていた1シャンテンから何かを引いてテンパイしてをカンしたのか、アンコのダマから4枚目のを引いてカンしたのか。天鳳では実戦中に区別がつきません(実際は前者でした)。

02

 ノーチャンスのトイツを落としつつ回したところ最後のツモ番でテンパイ。通ればテンパイ料以上の収入はほぼ確定です。
 仮に待ちだとして、アンコのダマだったとすれば、少なくともだと役無しになるのにダマにしていたのが不自然。4枚持ちの1シャンテンだったとすれば、の形からをカンせずにを先切りしたことになるため、比較的通りやすいとみてを押しました。

 前巡西家が手出しでを切ったので、もしかしたらテンパイ料だけでなくアガリも有り得ると判断したのも押した理由でもありますが、「先切りになるから通りやすい」という判断は早計でした。リーチ者はテンパイ以前に中張牌を数多く切り出しており、以外の無スジはいずれも「先切り」に該当します。「先切り」が通りやすいと言えるのは、先切りでない無スジが多く残っていることが前提です。中張牌が数多く切れて先切りでない無スジがほとんど残っていないにもかかわらず、中張牌がいずれもメンツ候補の一部ではないと仮定するのは無理があります。
 どんな時に先切りをするかは人それぞれですが、他家にカンドラを乗せるデメリットを高く見積もってテンパイ以前はなるべくカンを保留する傾向の打ち手は珍しくありません。昨今では先切りをあまり用いない打ち手も多いですが、それでもテンパイ以前に中張牌が数多く切られているのであれば、何らかの理由で先切りをした可能性も十分あるとみてよいでしょう。

03

 西家から3900をアガることが出来ましたが、東家の待ちはカン。案の定、形のうえでは「先切り」に該当する無スジでした。今回は先切りが当たり得るとしても他に待ちの候補が結構残っているのでを止めるほどではないとみますが、巡目が深くなり確実に通る牌が増えた段階では、通りそうにみえる牌が実は当たり牌ということも珍しくありません。待ちの候補が絞れれば絞れるほど牌の放銃率が高くなるのですから当然と言えば当然です。
 しかし、同じ性質を持つ、同じ名前がついたものであっても、状況が変わればその価値は変動するということを正しく認識するのは意識していても難しいもので、手作りや押し引き判断のミスが起きる大きな要因になります。打牌判断のズレを防ぐうえでも、確実に通る牌が少ない場合は「通る理由」、確実に通る牌が多い場合は「通らない理由」を優先的に考えることをお勧めします。
 

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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