シンデレラファイトの話をする前に、少しだけ麻雀そのものの話をさせてほしい。シンデレラファイトFinalでの大川佳弥乃の戦いぶりに、必ずつなげると約束するから。
将棋やオセロなどのテーブルゲームとは異なり、麻雀には
◾️見えないところ
◾️分からないこと
◾️セオリー通りにやっても上手くいかないケース
が山ほどある。
◾️ライバルの仕掛けにドラがたくさんあるんじゃないかと恐れ
◾️山に枚数が多く残っていると思う牌でアガれるように手を組み
◾️相手が3人いるので、自分が当事者ではない横移動で、有利になったり不利になったり
そんなことが、ずっと続いていく。それが麻雀の魅力を形作ってもいるのだ。

2026年8月22日(土)両手でピースを作りABEMAに登場した大川は、

ポイントが1番近いライバルに4000・8000ツモという大きな条件を突きつけ、

親の第1打
を仕掛け、
画像下家の西園に3枚、

対面の矢野に1枚、

上家で親の齊藤に1枚、

さらに、自分自身でも1枚使っている、山にたった2枚しかない![]()
を、造作もなくツモって見せた。
5代目シンデレラは、どんなことも全部自分の思い通りになる、スーパーヒロインだったのだろうか。令和のシンデレラ像っていうのは、何でもできるスペシャルウーマンなのだろうか。
時計の針を巻き戻し、♯1のオーラスを見てみよう。
大川はトップ目に立っているものの、2着目の齊藤とは1000点差で、さらに自身が親番なので、アガっても次の局をやらなければならない。
【♯1 南4局0本場 ドラ
】
東家・大川佳弥乃 31500
南家・齊藤しょあ 30500
西家・西園遥 19200
北家・矢野恵 18800
「ロン、6400。」
声の主は齊藤。大川の立場としては、これでもうトップを取り逃がしたことが確定した瞬間だった。さらに悪いことに、

開かれた手は、チートイツ・ドラドラの6400で、当たり牌の※5mを放銃したのは、大川自身だったのだ。

トップ者に、ウマ・オカ合わせて+50ptが加算されるルールにおいて、♯1のトップを取り逃がした罪は大きい。大川は齊藤に対し、51.8ptものビハインドを負って、♯2を戦うことになった。

「ロン、8000。」
♯2東1局0本場、
をポンしている矢野の手牌が倒された。チンイツの8000で、放銃したのは♯1でトップを獲得した齊藤。5代目シンデレラの座を懸けた運命のルーレットは、思わぬ方向に回り出した。

大川は、試合後のインタビューで「あせらずに戦えました。」と語った。戦況が目まぐるしく動く中、常に変化し続けるライバルとのポイント差を考慮し、最適な打牌を選ぶ。
♯1トップの齊藤と、ここまで♯2暫定トップ目の矢野を追う3番手である大川に、勝負手が入ったのは東3局0本場のことだった。

ドラである
を暗刻にしたイーシャンテンから、最後は
を引き入れて先制リーチを放つ。
(大丈夫、やれる。この手をアガってガラスの靴を手にするのは私だ。)

他家に厚く持たれていて、山には2枚しかなかった![]()
。しかし、大川はしっかりと手繰り寄せた。♯1でトップだった齊藤がラス目に沈み、♯2でトップ目だった矢野をかわし、ガラスの靴に大川の手がかかった。

しかし東4局0本場、反撃に出たのは矢野。7巡目に先制リーチをかけると、高めでイーペーコーとなる※5sを一発でツモアガリ。3000・6000を手にし、大川に並びかけた。

分かっていたこととは言え、一筋縄ではいかないFinalに、大川もこの表情だ。
ここでいったん、ポイント状況を整理しよう。
優勝ポジション・大川佳弥乃 +5.1+11.9=+17.0
準優勝ポジション・矢野恵 △41.2+56.9=+15.7
3位ポジション・齊藤しょあ +56.9△47.7=+9.2
4位ポジション・西園遥 △20.8△21.1=△41.9
大川、矢野、齊藤が三つ巴の形になり、全てのマイナスを西園が引き受けている。

南1局0本場、ここで矢野に「優勝テンパイ」と表現していいテンパイが入る。元々ドラの
がトイツで、自風の
を仕掛けていた矢野は、4枚目の
を持ってくると、積極的に加カンを選択。新ドラの表示牌として
がめくれ、
が新ドラになった。

大川は、矢野のアガリ牌である
をつかんだものの、
を抜いて守りを固める。しかし、麻雀は4人でやるゲームだ。

を浮かせた西園が、カン
を引き入れてテンパイ。
「はちゃ!打つなっ!」
パブリックビューイングをしていたFIRE BIRDでは、そんな悲鳴も上がっていたかもしれない。

カンが入って裏ドラが2枚見られるようになったことも、西園の決断を後押ししたか。

矢野は12000を討ち取り、ついに大川を逆転したのだった。

しかし、大川は南2局4本場で、二副露し、齊藤のリーチをかいくぐって、最後は矢野から8000は9200を直撃。大量リードを築くと、

南3局0本場では、またもやカンが入って場が沸騰したところを、鋭い攻めでアガリをもぎ取った。

大川佳弥乃、日本プロ麻雀連盟40期後期入会のプロ3年目。初参加となる昨年のシーズン4は、Best32で涙を飲んだ。自団体の試合にも積極的に出場し、桜蕾戦では四暗刻を和了。十段戦は初段戦から出場し、九段戦まで上り詰めることもできた。

自ら「攻めっ気が強い麻雀です!」と元気に語る一方で、実況解説陣からは「止める牌はきっちり止める。メリハリがしっかり効いている。」とも評された。このシンデレラファイトに出場するに当たり、たくさんの先輩たちに稽古をつけてもらったのだと言う。
元気で明るい性格でポジティブに手牌を進め、周囲を巻き込んで麻雀への理解を深める。
「やれる子できる子優勝する子!」と書いたアンケート、その通り。ガラスの靴に、手が届いた。
5代目シンデレラは、
■♯1オーラスで逆転を許し
■♯2で三つ巴の戦いに巻き込まれながらも
■勝負どころでは決して後退しなかった
大川佳弥乃に決定した。
おめでとう!
シーズン6にエントリーするかどうか迷っているシンデレラたち、何度挑戦しても高い壁を越えられずに日々悩んでいるシンデレラたちに、大きな勇気をありがとう!FIRE BIRDでの祝勝会も、ぜひ盛り上がってください!
Day8結果レポート
FINAL観戦記
準備中






























