「ここでトップを取らなきゃ意味が無いので、集中して頑張ります!」

Finalを前にした事前アンケートで、シンデレラファイト初出場の矢野恵はそう記した。
スポンサー予選を勝ち上がった矢野は、Best32、Best16、SemiFinalをすべて1位で通過。Finalの4人で、ここまでをすべて1位で抜けてきたのは矢野だけだ。

最後も1位でなければならない。そんな覚悟で卓に着いた。
Finalの対戦相手は、齊藤しょあ、西園遥、大川佳弥乃。
#1から振り返っていきたい。
まずは、矢野の技が光る場面を紹介したい。
南1局の3巡目、矢野はこの手で
を切った。

最終形が1枚切れている
とのシャンポン待ちになるような一向聴はいらない。ピンフ系を目指し、ドラの
引きや萬子での一盃口も視野に入れている。
柔らかい手の組み方だ。
南3局。ここまで勝負手がなかなか入らなかった矢野が、親番で高め三色同順の絶好のリーチをかける。

をポンしていた4着目の西園も追いついて、
を切って勝負をする。

捲り合いは矢野が
を掴み、西園への2600の放銃となった。

#1の結果は、以下の通り。

ツモに恵まれず矢野にとっては苦しい1戦目となった。
2回戦目、矢野は絶対にトップが必要だ。
#2の東1局。
矢野が
をポンして、清一色の聴牌を入れる。
待ちは![]()
![]()
。

まだ一副露で、清一色の聴牌とは他家も思わなかっただろう。
齊藤が放った
に、矢野が「ロン、8000」。

1回戦目にトップだった齊藤から、ラスだった矢野への直撃は、齊藤以外の3人とも条件が軽くなる。
東4局、矢野が勝負手をリーチ。
なんと、一発で高めの
をツモり、リーチ・ツモ・一発・一盃口・ドラドラの3000・6000。

矢野が一気に総合2位に躍り出る。
南1局。ドラの
を2枚持っている西家の矢野は、
をポン。すぐに
もポン。

現状トップ目の大川の親を落とすべく、しっかり仕掛けていく。
4枚目の
を持ってきてカン。新ドラが
となり、場に衝撃が走る。

を引き入れた矢野は、西・ドラ6の聴牌となった。待ちは
。

総合4着目の西園が
を引き入れた。
を切れば、![]()
待ち。西園が苦渋の表情を浮かべながら、
を切ってリーチを宣言する。

その宣言に、矢野の「12000」の声が重なった。

矢野が優勝に大きく近づく。
南2局1本場、親の西園のリーチに対し、全員が降りを選択。
結果、西園と齊藤の着順が入れ替わり、矢野が現状の優勝ポジションに立った。

一局ごとにガラスの靴を受け取る人が変わる、手に汗握る展開である。
過去のシンデレラファイトで、#1を4着で終えた選手が優勝した例はない。矢野がそれを成し遂げれば、何年も語り継がれる一夜になる。
矢野の運命を分けたのが、西園が連荘を重ねて迎えた南2局4本場だ。
総合2着目の大川が
をポン、
をチーし、2段目で![]()
待ちを聴牌。

字牌の行方が鍵となる。
そして、総合3着目の齊藤も![]()
待ちでリーチ。

大川はリーチに対して無筋の牌を押していく。
その姿を見た矢野は、しっかり安牌を切って降りていく。

親の西園も
をチーして
待ち。
3人の聴牌に囲まれた矢野。
が重なり、考える。

リーチに通っている牌はない。大川に字牌が危ないのは重々承知だ。でも2枚ある
で許して。
そんな思いで置いた
に、大川の「8000は9200」の声。

矢野からの直撃で、大川が優勝ポジションを奪い返した。
矢野がぎゅっと口を結ぶ。

南3局の矢野の親も、大川の満貫ツモで流れた。
トータルの結果は、以下の通り。
5代目シンデレラ:大川佳弥乃
総合2位:齊藤しょあ
総合3位:矢野恵
総合4位:西園遥

矢野は、インタビューで「まだ自分はシンデレラになるべきじゃなかったと思う!」と言い切った。

一時は優勝ポジションに立ち、それを取りこぼした直後に、この言葉を言える。心の底からすごいと思う。
矢野はまだ2年目。あと5回もシンデレラへの挑戦権がある。
矢野のシンデレラへの物語は続いていく。

Day8結果レポート
FINAL観戦記
大川佳弥乃がボクに教えてくれたこと【シンデレラファイト シーズン5 Final 大川佳弥乃視点 担当記者・中島由矩】
齊藤しょあ、二度目の挑戦【シンデレラファイト シーズン5 Final 齊藤しょあ視点 担当記者・坪川義昭】






























