ネマタの天鳳名人戦牌譜検討第176回

ネマタの天鳳名人戦牌譜検討とは

『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第六節四回戦A卓

▼対局者
Ⓟ多井隆晴
Bさん：福地誠
Ⓟ石橋伸洋
Dさん：コーラ下さい

　第一打にドラ表示牌のを切ってほぼチートイツかトイトイに決め打ち。を切ってポンで他家から見てもほぼトイトイですが、役牌2つとトイトイで満貫になる打点的メリットからチートイツより優先します。

　チートイツ1シャンテンで打としたところ裏目のツモ。字牌は南家に持たれてそうですが、トイツで持たれているなら鳴かれて先にテンパイを入れられることにより自分のアガリ率も下がる。持たれているのが1枚以下なら待ちとして優秀なのでこの裏目はやむを得ないところでしょうか。

　チートイツはテンパイ時に待ちを選べるので、画像だけ見れば引き戻し狙いで残り1枚になった打とするところですが、おそらくにラグがかかったものと思われます（西家はトイツでタンヤオ狙いの手）。南家がチーできる形とは考えにくいのでは誰かにトイツ。そうなればは山に残っていないと分かるので今回はでもツモ切ります。

　北家もチートイツ本線の手。こちらは南家に字牌を止めつつ、も比較的山に残っていそうということで赤5重なり狙いの打。

　が重なり1シャンテン。こうなれば南家に持たれていそうな字牌より、山に残っていそうなを残して打。は南家に1翻つくので後回し。これを南家が鳴いて打。

　そしても重なりテンパイ。が出やすいとはいえず、南家に放銃のリスクも結構ありますがこうなればドラ単騎でリーチ。案の定は南家に持たれていてポン打。チートイツVSトイトイ。果たして勝つのはどっちでしょうか。

　実は既に西家がタンヤオドラ4でテンパイしていました。リーチと仕掛けを受けてツモったのは生牌の。放銃すればほぼ満貫のうえトイトイの待ち候補がかなり絞れている南家に対して危険なのはもちろん、北家も中張牌連打から字牌を続けて手出しで切ってリーチは明確にチートイツ傾向。この場においてを切るのは、2軒リーチに対して両方に無スジの牌を切る以上に放銃リスクの高い選択と言えそうです。そうなるとダマ5翻の手といえカンでは止めた方がよかったように思いますが、実戦で出来る自信は全くありません。