第12期雀竜位・斎藤俊（日本プロ麻雀協会）による対局の寸評記事！今回は11月3日「第18期女流雀王戦第8節」です。 

第18期女流雀王Aリーグ最終節（全8節）

"前回"の裁定問題の解答を載せていく。プロ公式戦対局の基本裁定例として記載している旨をご了承いただきたい。(プロアマ混合戦では裁定が変わります)

Case 1
西家の人「親の人が海底牌を1枚間違えて、ツモが残っている状態でノーテン宣言(手牌を伏せる)して、南家がテンパイ宣言(手牌を開いた)しました！」

A. 親が伏せたことで開示を誘発したので、親チョンボ。
B. 親・南家がアガリ放棄となり海底牌ツモ番から続行。
C. 南家が手牌を開いたことで続行不可能。南家チョンボ。
D. 親・南家双方チョンボ。

裁定：C
南家のチョンボになる。当然親も厳重注意となるが試合に対してはノーペナルティ。
特に協会ルールはリーチ者からのテンパイ宣言が決めになっているのでリーチ者テンパイ開示は王牌枚数に十分注意する必要がある。

Case 2
「リーチ後にリーチ者が山牌を5枚ほど崩して牌が見えてしまいました。」

A. 厳重注意。ただしリーチ者なので続行可能としノーペナルティー。
B. 山牌を見せたリーチ者はアガリ放棄となる。
C. 山牌を見せたリーチ者はチョンボ

裁定：C
リーチの有無に関係なく、チョンボになる。試合続行を原則とし、見えた枚数が少なければ、軽いペナルティになることもある。特に山を前に出す際に起こりやすい。基本井桁を組んだら牌山に触らないことが望ましい。

Case 3
「アガリ放棄の人が一発消しのチーをしました。」

A. 同一局でアガリ放棄に該当する行為を重ねたのでチョンボ。
B. チーは不成立。厳重注意で元に戻して続行。
C. チーは成立。もう一度アガリ放棄宣言されて厳重注意でそのまま続行。

裁定：A
アガリ放棄宣言を受けたものが副露することは出来ず、チョンボとなる。

Case 4
「ラス前に点棒見たら100点ズレていて、卓下に落ちていました。」

A. 東1局から4人で点棒移動を再現させ、正しい状態に戻す。
B. 済んでしまっているので現状を優先させる。一旦卓外の供託とし、最後にトップ者に加点する。厳重注意。
C. 済んでしまっているので現状を優先させる。卓外供託とする。誰にも足さない。厳重注意。

裁定：A
東1局から全て再現してあるべき点数に戻す。点リーダーを見なくても全員の点棒が分かるというのがプロとして望ましい。誰か一人でも毎回10万点を確認していれば途中で気付くので恥ずかしいミスの一つである。再現できないのはさらに恥ずかしいが今のところ全て再現出来ている。

比較的厳しい裁定と思われただろうか。各者悪意のない行為である前提で、悪意があれば当然選手資格を失うことになる。

さて、女流麻雀王リーグは今節で決定戦を除き終了となった。
Aリーグからは、大島麻美、水口美香、朝倉ゆかりが現女流雀王の逢川恵夢への挑戦権を得た。

初出場初戴冠を目指す大島、水口と幾度となくこの座に座る朝倉。
互いに負けられない好勝負に期待がかかる。

第18期女流雀王Bリーグ最終節（全8節）

第18期女流雀王Cリーグ最終節（全8節）