第12期雀竜位・斎藤俊プロ（日本プロ麻雀協会）によるプロ対局の寸評記事！今回は11月4日に行われた「第17期女流雀王戦第8節（最終節）」です。 

第17期女流雀王Aリーグ第8節（全8節）

Aリーグ
本日は最終節最終戦について。女流雀王、朝倉ゆかりへの挑戦権は3枚。

最終戦前のスコア上位6名のポイントおよび条件は以下のようになっている。

おおよその条件なので大きな素点変動がある場合はこの限りではない。
この中では水瀬が比較的有利ではあるが、決して楽な戦いではない。本人たちは非常に複雑な状況を場合分けしながら戦うことになる。

筆者はB卓に着目していた。

南入、中巡に愛内の先制リーチを受けた局面。
まだ親番も残す水瀬にもテンパイが入る。

　ツモ　ドラ

普段ここからを切らない人はいない。残り4筋の無筋だとしても。

今回は最終戦。この一撃を決めれば決定戦がほぼ確定・・・という誘惑もあったはずだ。
多田は自分より8600ほど下。多田、月城は既にオリている。水瀬のこの手、この条件下は絶対にオリるべき。
一般に悪魔の甘い誘惑が来ると人はついつい正当化して押す理由を考え出してしまうものだ。

『水瀬は必ずオリを選ぶ』

筆者の単勝1.0倍のような予想通り彼女はオリた。艶やかに微笑んだように見えた。

ラス前の水瀬最後の親番

 ポン　ポン→加カン

愛内にはドラ含みの仕掛けが入っている。多田も攻めてきている。
水瀬は打とし程なくしてでツモ和了。

オーラスも水瀬自ら
　ポン　ツモ

粘り強く安易な誘惑に負けない。
臆病なわけではなく勝負強さも発揮した彼女は「昨年の予想通り」決定戦へと駒を進めた。

A卓からは中月がオーラスに持ち前の攻撃力を発揮し2局連続マンガンの和了しトップを取り決定戦へ。
C卓は逢川が2着目で福山より着順が上に、B卓の多田が逆連帯のため決定戦に。

挑戦者3名は初の女流雀王決定戦になる。
粘り強さの水瀬、攻撃力の中月、手数の逢川。タイプの異なる3者がそれぞれを兼ね備えた女帝、朝倉ゆかりに挑戦する。

中月、水瀬、逢川が女流雀王決定戦進出

愛内、米崎、水崎が来期女流Bリーグ 降級

第17期女流雀王Bリーグ第8節（全8節）

水口、澄川、大島、奥村が来期女流Aリーグ 昇級

崎見、日當、杉村、ERIKAが来期女流Cリーグ 降級

第17期女流雀王Cリーグ第8節（全8節）

ふゆつみ、綾瀬、命、会田、黄河、望月、中込が来期女流Bリーグ 昇級