KADOKAWAサクラナイツ森井巧監督「自分らしく最善を尽くしてほしい」

　昨季より新規参戦したKADOKAWAサクラナイツは、今季補強を行った唯一のチームだ。所属選手は、桜のプリンスこと内川幸太郎（連盟）をはじめ、モデル兼プロ雀士でリーグ最年少の岡田紗佳（連盟）、リーグ最年長のレジェンド雀士である沢崎誠（連盟）の3人体制に、日本プロ麻雀協会の頂点である雀王を獲得している堀慎吾（協会）をドラフト指名し、今季からは4人体制となる。

　昨季ファイナル4位という結果を「嬉しくも悔しい」と振り返った森井巧監督に、今季にかける思いを聞いた。

新規ドラフト指名で4人体制とした意図は？

「各選手のコンディションを考えた時、1～2人調子が悪い選手がいる場合でも4人いれば柔軟に対応ができますし、長期スパンにおいても短期スパンで考えても、選手起用に幅が出ると思ったので、4人目の選手を新規ドラフト指名させて頂きました」

写真左から堀慎吾、岡田紗佳、内川幸太郎、沢崎誠の4人体制で、さらなる高みを目指すKADOKAWAサクラナイツ

堀慎吾選手をドラフト指名した理由と期待されていることは？

「チームにとって最善であるという前提で、どういう選手が加わるとファンの方たちが今まで以上に応援してくれるのかを考えたときに、堀さんかな、と。また、堀慎吾というプロ雀士の才能と魅力を、Mリーグを通じて世の中に発信したいという思いがありました」

「堀さんに期待していることは、ポイントゲッターになってもらうことです」

采配に関して心がけていることは？

「メンタルとフィジカルの両方が求められる競技だと思うので、選手のコンディションを見極めながら、オーダーを決めていきたいと思っています。調子を見極めるためにはコミュニケーションが大切なので、4人体制になった分、幅も広がっていくので、私も試合を見ていて感じたことは共有していこうと思っています」

KADOKAWAサクラナイツの今季テーマは？

「カオスです。文字通り、混沌です。麻雀に対して一定の期待値とか確率といったようなコンセプトキーワードを持っていないチームなので、4人全員の最適解は異なると思っています。ただ4人全員が最適解を突き詰めていけば、それがチームの最善になっていくので、コンセプトに基づくチームではなく、それぞれの最善を尽くすという意味でのカオスです」

「たとえば沢崎さんの打ち方は真似できないと思うんです。沢崎さん自身の経験値から来る勝負勘であったり、他の人には感じられないようなことを感じられる能力を持っていると思うので、真似しようとしても、自分に無い引き出しから無理にやろうとすることになってしまう。だからこそそれぞれの麻雀観にあった麻雀を打って欲しい、自分らしくあって欲しいということをカオスというテーマに込めています」

サクラナイツの新ユニフォームは岡田紗佳選手が全面監修。チームを“桜援”するには必須のアイテムだ

ズバリ今季のキーマンは？

「新規獲得選手である堀さんです。ポイントゲッターとして活躍して頂けるのかどうか。3人体制から4人体制となった時のチームワークはどうなっていくのかも含めてキーマンであり、カオスの体現者になってくれたらとも思っています」

コロナ禍におけるファンイベント等はどのように考えていますか？

「ファンクラブ向けにオンラインパブリックビューイングをやりたいと思っています。DMMオンラインサロンでファンクラブを作っているので、試合をリアルタイムで選手たちが解説するのか、雑談していくのかは未定ですが、全国のファンの方が参加すると、選手たちと一緒に対局番組を見ているような気持ちになれると思います。ある意味では副音声的なノリなのかもしれないんですけど、そういう形でもMリーグを楽しめる。コロナ禍で直接のコミュニケーションが取れない分、オンラインを使ってどのようにファンと結びついていくのかは、非常に大事になっていくし、今後我々の取り組むべき新しいコンテンツだとも思っています」