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お散歩先は最高の景色。田渕百恵のグレート・ジャーニー【麻雀ウォッチ シンデレラリーグ 第2節予選Cブロック2卓】

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テンパイは偉い! 門前にこだわらないお散歩

 

続いて2回戦の東1局1本場。

なんともゴージャスな配牌をもらった百恵ちゃん。平和系の横伸びにも期待できるし、ピンズの染め手も素直な進行で作れるかもしれない。

手牌は最高形を目指して進んでいく。を引いて打

を引いて打として、あれよあれよと門前チンイツの1シャンテンとなった。現状、門前テンパイならイーペーコーやチートイツが確定し、倍満濃厚の超大物手だ。

が、百恵ちゃんは過剰な夢を見ない。ノータイムでをポンして、カンのテンパイに構えた。なんと、ピンズ余らずの跳満だ。

これに飛び込んだのが川又。百恵ちゃんの上家の川又は、鳴かれることも極力避けたかったため、のトイツ落としなど迂回をしていた。だが、ここまでの勝負手となってはやむなし。宣言牌を鳴かれるのでは……と思っていたという川又だが――

まさかの12000点放銃! なんとも恐ろしいアガリだが、この手を成就させたのは百恵ちゃんの鳴き判断の賜物だ。ポンだけではない。中月の河にあるに注目していただきたい。

「門前のチンイツ1シャンテンは魅力的でしたけど、やっぱりテンパイが偉いのでポンテンを取りました。中月さんのも鳴けましたけど、 にしても枚数は一緒なんですよね。 待ちは盲点になるかもしれないけど、2フーロすると、さすがに誰もピンズを出してくれない。なのでカン待ちのまま続行しました」

麻雀を始めたばかりの頃の「出るポン、出るチー」だったという百恵ちゃんは、もういない。他家から自分の仕掛けがどう見えるかを考慮し、俯瞰した上での選択が取れているのは、鳴き慣れているが故だと思う。

その後も3000-6000のアガリなどで加点を続け、圧巻の内容で百恵ちゃんは連勝を収めた。

そこに絶景があるならば

百恵ちゃんの「お散歩」は、目的もなく闇雲に歩み出したりはしない。場況なり打点なり、何かしらの目的地を指した羅針盤を手に、綿密な計画と積み重ねた経験をもって万全の旅路を往くような印象がある。そのゴールへと向かいたいから鳴くわけだが、時には周囲にあったつぼみが急に芽吹くように、わざわざ前進せずとも絶景の中に身を置くこともある。

6巡目の百恵ちゃん。を切れば、タンヤオ・赤・ドラのテンパイだ。百恵ちゃんはを切り、ヤミテンに。リーチがかけられそうな待ち選びへと突入する。麻雀愛好家の界隈では、たまに「単騎探しの旅」なんていう言い回しをする人もいるが、これもある意味、お散歩かもしれない。

道中、のノベタンに取ることもできたが、すでにが2枚切れており、もドラ。そう簡単にアガれそうな待ちには見えないということで――

単騎を続行。

その後もフリテンになる牌ばかりをツモ切り続けていたのだが、が全て見え、も百恵ちゃんが2枚切っている。みるみるうちにが待ちとして優秀な牌となり、12巡目にをツモ切ってリーチをかけた。理想を言えば最終手出しがだったため、空切りリーチをしたかったという百恵ちゃん。だが、巡目も終盤に差し掛かったことを考えると、ここが分水嶺だろう。

このリーチにつかまったのが川又。1シャンテンからをツモ切ったら――

一発に裏ドラも乗って12000点! この日の百恵ちゃんは、とにかくよく跳満をアガっていた。

そんな見せ場を作った百恵ちゃんだが、3回戦はここまで低迷していた丸山がトップを奪取。

南3局1本場、丸山のリンシャン・ツモ・赤の1700-3300のアガリはじつに秀逸だったので、ぜひご覧いただきたい。

3回戦まで終了して、百恵ちゃんが4位、丸山が3位となった。4位までプレーオフ進出の権利が与えられるが、百恵ちゃんとしては1着でも上を目指したいところだ。

絶景へ向けての進撃。それが百恵ちゃん流のお散歩

これまで挙げたように、百恵ちゃんのお散歩は絶景というゴールをつねに見据えている。そんな思惑通りの進行ができた局を、最後に紹介しよう。

4回戦南1局、百恵ちゃんは親が一打目に切ったをポン。

を切り、次巡にはを引いて打とする。

直後にのポンができ、ペンのターツを払っていく。・ホンイツのコースだ。

さらに切れた直後のが重なった。これを鳴ければ、役々・ホンイツ・トイトイの跳満が見える。

この場面は要チェック! 丸山が放った3枚目のをスルーしている。2度受けのに構えても、決して優秀な待ちではない。むしろは他家が早くもを捨てていることから、山に残っている可能性が十分に考えられる。そしてツモ牌のを、まるで迷うそぶりを見せずにツモ切った。打点バランスも考慮して、あくまで照準は跳満だ。

そして絶好のポンに成功し――

思惑通りにツモ。会心の3000-6000を決めた。

オーラスでは百恵ちゃん、丸山、川又の3者が2900点以内という僅差の戦いだったが、ここを丸山が制して連勝を飾るという結果に終わった。オーラスを含め、非常に見どころの多い局面の連続だったので、とくに最終戦はご覧いただきたい。

この日1日で、百恵ちゃんは100.5pのプラス。卓内トップの成績で、ブロック内順位もボーダーの4位にまで上がった。

「希望が見える結果で良かったです。最終節では与那城さんと当たるので、まくることができれば最高だなとは考えています」

お散歩と呼べるほど、平坦な道のりではない。だが、たとえポメラニアンほどの歩みだとしても、シンデレラの頂という絶景へは着実に近づいている。グレート・ジャーニーの幕は、この日、上がった――。

 

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この記事のライター

新井等(スリアロ九号機)
麻雀スリアロチャンネルの中の人。
ナンバリングは九号機。
スリアロでのポジションをラーメンに例えると、味玉くらい。
お酒があれば、だいたい機嫌が良い人です。

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