7/3(月)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグWHITE DIVISION 第8節 47、48回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
前回終了時のポイントはこちら↓
長期のリーグ戦も、残すはこの半荘を入れて各人4回戦。
最下位の内川は、4連勝が必須という厳しい条件となっていたが、この7700で先制すると、オーラスまでトップを維持していた。
すると、村上にこのテンパイが入る。
トップを目指すなら、リーチで高目ツモにかけるところだが、リーチをかけると供託を出して3着に落ち、すでに仕掛けているラス目の勝又にアガられればラス転落まで現実的。
そこで、トータルのポイントにも余裕がある村上は、2着でも良しという構えでダマテンとした。
しかし、村上がダマテンに構えた直後、なんとすでにテンパイしていた内川がラス牌のをツモ切り、8000。唯一、トップ逆転となるルートである。
村上にとっては望外の、内川にとっては悪夢のようなトップ逆転となった。
続く48回戦では、たろう・藤田の3位・4位争いに注目が集まった。
すると、そのたろうがマンガンでリードして迎えた東2局、オヤでテンパイが入る。
石橋がすでにドラのを切っているほか、小林がをでチーしているため、ドラは残り1枚。
一方のは1枚切れで、が3枚見えということもあり、悪くない。
待ちにするならリーチ、ドラの待ちにするならダマテンというのが、マジョリティだろう。
一方、たろうの選択は単騎でリーチ。
確かに、が自分の目から4枚見えており、は使えない牌なので、ヤマに残っている可能性は高い。
ならば、小林と石橋をリーチで押さえつけて局面を長引かせた方が得、という判断となった。
たろうの読み通りヤマに生きていたを掴んだのは、石橋。
たろうの河にがあるため、ではアタらない。
が4枚切れで789の三色はなし。
役牌アンコもなし。
仮にのようなイーペーコーやチートイツのドラ単騎のような役アリならダマテンに構えるだろう。
とすると、このがアタるなら、役ナシのカンで3900程度ということとなる。
そう考え、トップ必須条件の石橋は、をツモ切った。
すると、これがアタリ。
しかも、あろうことか石橋が想定から外したチートイツで、ウラも乗って18000。
たろうの裏をかいたリーチが成就した。
たろうは、トップ目に立っても攻めの手を緩めない。
、と連続でポンしてあっという間に1000点のテンパイ。
これに対し、直後に石橋が切りでリーチに出た。
石橋のリーチに対してを押したたろうだったが、すぐにドラのを掴んでしまう。
ここでようやく、に手をかけ、迂回した。
「そうだよな、さすがにそのを打つのはリスクが高すぎるよな」という漠然とした感覚でを止めるのが一般的な人間である。
しかし、ゼウスの異名を持つたろうともなると、その理由が違う。
たろう「はリーチには通るとは思っていたが、藤田さんにポンされるのが嫌だった」
これである。
このリーチがかかった局面で、「まだ門前のライバルに対し、ポンされるのが嫌」という視点。
確かに、その視点自体は誰しも持っているものだとは思うが、この局面でその優先度を高めに維持しておくことはかなり難しい。
たろうは、「第1打から打ち出し、素直に両面リーチに向かって進めた石橋はを持っていない、または持っていてもアタリにはなっていない」という読みは元より、当面のライバル藤田に対するマークを高い基準で維持していたのであった。
この視点が、たろうをゼウスたらしめるのではなかろうか。
実際、藤田は手牌の形を維持しており、仮にがあったとしたらポンテンがかかっていてもおかしくなかっただろう(しかも、石橋がを持っていないという読みから、藤田にが入っている可能性が少し高くなっている)。
そして、たろうは迂回しながら終盤にテンパイを果たすと、ここから現物のではなく、生牌のを打ち出した。
もう終盤であり、藤田にポンされても問題なく、自身のテンパイ料を狙ったほうが有利との感覚である。
傍目には、一度止めたを打ち出し、一貫性がないように見えたかもしれないが、上記のような理由であれば、合点がいく。
すると、最後にはフリテンのを引き、アガリまでさらってしまう。
たろうが、神の視点を見せつけた1局となった。
しかし、今半荘の行方は、その後に小林がこの4000オールを含む連続アガリでたろうを逆転すると、そのまま逃げ切り。
首位の小林がポイントを伸ばした。
残すは最終節6回戦。
いよいよ準決勝進出者が決する。
■次回7/6(木)21:00からBLACK DIVISION 第8節43、44回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定
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藤田晋invitational RTDリーグとは
2014年に麻雀最強位を獲得した藤田晋が、団体の垣根を超え、今最も強いと言われている麻雀プロを招いて開催される長期リーグ戦。
予選ではBLACK DIVISION・WHITE DIVISIONそれぞれ8名ずつの選手が出場し、各ブロック予選全54回戦をすべて放送する。
前代未聞のスケールで開催される今大会は、名実共に最強の雀士を決める戦いと言っても過言ではない。
今期のRTDリーグは、毎週月曜日・木曜日の午後21時から最新対局を放送!!
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