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それぞれの終盤戦!石橋、落とし穴だらけの旅路!多井・村上、屈辱の選択! RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 47-48回戦、BLACK DIVISION43-44回戦レポート

それぞれの終盤戦!石橋、落とし穴だらけの旅路!多井・村上、屈辱の選択! RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 47-48回戦、BLACK DIVISION43-44回戦レポート

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7/2(月)および7/5(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 47-48回戦およびBLACK DIVISION43-44回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。

 

WHITE 48回戦:トップが遠い石橋の、険しすぎるトップまでの道のり

この半荘を終えるといよいよ最終節の3回戦を残すのみとなる。

そんな中、絶対にトップがほしいにもかかわらず、なかなかトップが取れないのは最下位の石橋だ。

この半荘でも、オヤ番で他家から先にリーチがかかる苦しい展開となってしまう。

しかし、石橋はそんな逆境でもきっちり押し切ってリーチの佐々木からで7,700をアガり切ると、子方でもカンチャンリーチをツモって2着以下を引き離した。

だが、ここからすんなりトップを取らせてもらえないのが今期の石橋。

アガればトップが決まる南3局で、手広いイーシャンテンに引いたのは役ナシとなる

どうして・・・どうして役アリになってくれないんだ・・・

ほぼ押してくるオヤの佐々木、トップを狙う猿川に対して無防備になることを避けるべく、リーチをかけることはしたくない。

とはいえ、あまり期待できないドラ周りのマンズ中頃と心中してテンパイを外すほどではないため、いったんテンパイを取る。

すると、すぐにを引いて待望の役アリテンパイへ。

しかし、勝又からリーチがかかると、すぐに無スジのを掴んだ。

1つのトップを取るために、いったいいくつの落とし穴を避けなければならないのか。

でオリることは可能だが、その場合にはテンパイ料でほぼ失点しそうだ。

中でも特に佐々木がテンパイで連荘してしまうことが最悪で、その場合には下位者にチャンスを与えてしまう。

それならば、ここで放銃したとしてもトップ目のままオーラスを迎えることを選択した方がマシか。

石橋はを勝負し、勝又のでトップ当確のアガリを決めた。

何度も何度も困難を乗り越え、ようやく目前となったトップの地。

武道館はすぐそこ。もう『負けないで』の大合唱が始まっている。

後は、オーラスのオヤ番というウイニングランを残すだけである。

そんな中、石橋にテンパイが入った。

オヤ6巡目のピンフテンパイなど、ほとんどダマテンにすることはないだろう。

確かに、ここでリーチ棒を出してしまうと、点数状況的に猿川にマンガン直撃条件を与えてしまうのだが、そう簡単にそんな条件が満たされるとは思えない。

それならリーチでも良さそうだが、石橋は万全を期してダマテンを選択した。

これがドラマを呼ぶ。

すぐに勝又からリーチが入った。

しかも、高目ツモウラ1で倍満というとてつもないテンパイである。

そして、倍満成就。

これは・・・石橋をまくったか?

いや、セーフ!セーフである。

勝又との点差は参考程度にしか考慮に入れていなかったと思うが、石橋がリーチ棒を出していたらまくられていた。

石橋が、ダマテンという堅実な判断で無事に武道館のゴールテープを切った。

落とし穴だらけの走路を走り切った石橋。終盤での最下位脱出という価値あるトップに、ほっと一息ついて笑みを浮かべた。

 

WHITE 47回戦:準決勝に向けて厚かましさを増すたろう

和久津のこのリーチに対して追いついたたろう。

ドラ1あるならリーチもありそうだが、残り2巡でピンフのみなら、を切ってダマテンにしてしまいそうなところ。

しかし、たろうには、このテンパイがピンフのみには見えていない。

リーチ者の和久津が南家であるため、たろうにとっては「リーチ、一発、ピンフ、ウラ1」もしくは「リーチ、ホウテイ、ピンフ、ウラ1」なのである。

たろうが厚かましくリーチをかけた。

結果は平賀のリーチ宣言牌を捉えるという望外の形でマンガンとなったが、準決勝に向けて厚かましさを増しているたろうが、これでトップに迫ると、オヤ番で4,000オール。

強烈な2発でトップを決め、ポイントも400近くまで乗せて最終節を迎える。

目下の敵は、別DIVISIONで独走する小林。

ポイント半分持ち越しの準決勝で戦う小林に対し、どこまで迫れるか。それが最終節のたろうに課されたテーマとなる。

 

BLACK 44回戦:リーチ超人が強いられた屈辱のダマテン

そのたろうにライバル視されている小林は、今節も着実にポイントを重ねていく。

こんな贅沢なイーシャンテンから、をチーして1,000オール。

かなりもったいない気もするが、これが小林の通常運転。

村上のリーチをかわす価値あるアガリを拾うこのアガリを含め、オヤ番で細かくアガリを重ねていつの間にか1人浮き状態を作り上げた。

展開でラス目になった最下位・村上だったが、オヤ番で好配牌が入ると、打でドラターツを固定しつつ678の三色を狙っていく。

しかし、すぐに裏目のドラを引くなど、何やら煮え切らないリーチになってしまった。

そして、トータル順位を争う松本に対して痛恨のハネマン放銃。

あの好配牌でも加点できないのか・・・

村上の苦境は続く。

オーラス、特に条件のないオーラスなら素直にリーチだと思うのだが、絶対に押してくる松本を相手にカンでは心許ないか。

いや、それ以上に気にしているのは、小林から出アガリできないということだろう。仮にこれをリーチして小林から出アガリしてしまうと、ライバル松本をトップに押し上げてしまう。

それだけは避けねばならないため、なんとか役アリダマテンにして小林からの出アガリを避ける形にするしかない。

リーチ超人村上、屈辱のダマテンを強いられる。

その甲斐もあり、をポンした小林にアガリが出て、なんとか松本のトップを回避した。

しかし、依然として苦しい村上。最終節の前に、なんとか浮上のきっかけを掴みたいところである。

 

BLACK 43回戦:多井、屈辱の戦略的見逃し

オヤ番で得点した白鳥が、1本場でもこのチャンス手。

河に目を向ければ、4巡目に瀬戸熊が切ったをポンしていない。

白鳥にしてみれば、この手は12,000の決め手なのだろう。感覚だが、あえて数字にするなら下記のような感じだ。

現状→トップ率3~4割程度

5,800加点→トップ率5割程度に上昇

12,000以上の加点→6~8割程度に上昇

といったイメージだと思われる。

5,800でもアガリ方によっては十分決め手になるが、これを12,000に仕上げれば7割方トップを決めることができる。

そのため、白鳥は少しのアガリやすさと引き換えに、トップ率をさらに押し上げる選択をしたというわけだ。

保守的な白鳥の打牌傾向からすると、若干ギャンブル気質な選択といえる。トータルの190ポイントという余裕が生み出した背景もありそうだ。

そして、多井から12,000をアガってこのギャンブルに勝利した白鳥だったが、粘る内川に迫られ、僅差のトップ目でオーラスを迎えた。

ここで苦渋の選択を迫られたのが多井。着順アップが望めない多井は、をポンして「少しでも傷を浅く終わらせましょう」のテンパイ。

ここに、白鳥がを打ってテンパイを組む。

は多井にアタリで、多井がアガると白鳥がトップから転落となってしまう。

だが、多井からロンの声はない。

トータルで争っている内川には近くにいてもらわねばならず、内川にトップを取られることだけはまずいのだ。

多井にとっては屈辱の見逃しだったが、これが成就する。

白鳥がアガり切り、多井の屈辱にまみれた選択が結実した。

準決勝進出ラインから、あっという間に下位争いに巻き込まれてしまった多井。逆に長らく最下位に沈んでいた内川はついに5位まで浮上。

準決勝進出も、降格・入れ替え戦となる7・8位回避も、混沌としている。

 

■次回7/9(月)21:00からBLACK DIVISION 45-46回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定

 

藤田晋invitational RTDリーグとは

2014年に麻雀最強位を獲得した藤田晋が、団体の垣根を超え、今最も強いと言われている麻雀プロを招いて開催される長期リーグ戦。
予選ではBLACK DIVISION・WHITE DIVISIONそれぞれ8名ずつの選手が出場し、各ブロック予選全54回戦をすべて放送する。
前代未聞のスケールで開催される今大会は、名実共に最強の雀士を決める戦いと言っても過言ではない。

毎週月曜日・木曜日の午後21時から最新対局を放送!!
(日曜日のお昼に、その週の最新対局をまとめて放送)

 

視聴方法:AbemaTV( PC版 / iOS / Android)

▼PC版
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この記事のライター

鈴木 聡一郎
1983年生、千葉県出身
早稲田大学在学中の2004年、最高位戦日本プロ麻雀協会に入会。
以後10数年に渡り、観戦記者として活動中。
最高位戦以外にも、モンドTV、麻雀スリアロチャンネル、RMUなどの観戦記を執筆。
近年では、AbemaTV麻雀チャンネルの公式ライターとして、RTDリーグなどの観戦記者を務める。
観戦記以外には、書籍『麻雀偏差値70へのメソッド』(石井一馬著)、『最強プロ鈴木たろうの迷わず強くなる麻雀』(鈴木たろう著)、『多井熱』(多井隆晴著)などに協力。

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