女子高生による麻雀大会「麻雀最強戦presents~高校女子オープン大会2018・冬~」(主催:近代麻雀 協力:学生麻雀連盟・麻雀ウォッチ・大洋技研株式会社)が12月24日に開催され、初出場の三澤瑠花さん(1年)が優勝を果たした。
システム・ルール
予選はAB卓に分かれて半荘1回を打ち、上位2名が決勝に進出。決勝は半荘1回勝負でトップをとった選手が優勝となる。ルールは前回に引き続き、符計算無し、積み棒無し、連荘無し、カン1回につき1ハン増えるルールで行われた。
予選A卓
予選A卓の出場者は以下の4名。
祖父に麻雀を教わり、普段は家族で打っているという伊藤花菜(いとう はな)さん(1年・初)
秋田からの参加、特技は金属工芸だという佐藤えみなさん(3年・前回3位)
テレビ東京の番組にも出演している宮本ひなのさん(3年・前回4位)
そして子供麻雀教室で習ったという確かな打ち筋で前回優勝を果たした島村奈菜さん(1年・前回優勝)
対局の模様は、東2局から南1局まで流局が続くという重苦しい展開になった。
南2局で宮本がのみで仕掛け、島村のリーチをかわし1000点+供託4000点の加点で流局の流れを止めると、続く南3局で島村からリーチ一発タンヤオピンフの親満をアガり安全圏へ。
南4局は3000点差で2着の佐藤を追いかけていた伊藤がダブを仕掛け、ドラを引いて条件を満たすと、宮本から出アガり逆転で決勝進出を決めた。
順位 | 選手名 | TOTAL |
---|---|---|
1 | 宮本ひなの | 34000 |
2 | 伊藤花菜 | 29000 |
3 | 佐藤えみな | 28000 |
4 | 島村奈菜 | 9000 |
宮本・伊藤が決勝へ。佐藤・島村は敗退。
予選B卓
予選B卓の出場者は以下の4名。
愛知県から来た井町梨乃(いまち りの)さん(3年・初)。『哭きの竜』を読んで麻雀を始め、『近代麻雀オールスターズ 闘牌伝』をサービス終了までプレイしていたという、主催の竹書房にとってはお得意様のような参加者だ。
学校で先生公認のもと麻雀を打っているという三澤瑠花(みさわ るか)さん(1年・初)
前回準優勝、その時と比べるとぐっと大人びた雰囲気になった長澤頼花(ながさわ らいか)さん(3年・前回準優勝)
第2回から出場し第3回で見事優勝、復帰が待ち望まれていた高山結理(たかやま ゆうり)さん(2年・前々回優勝)。
東1局から注目を集めていたのが三澤。
チンイツを理牌せずに作り、九蓮宝燈の1シャンテンまでこぎ着ける。まさか女子高生がノー理牌で打つとは思っていなかったため運営も対応に戸惑っていたが、思いのほか好意的なコメントが多かったのでそのまま様子を見守ることに。
試合展開は高山が低~中打点の手を4回アガり、優勝者の貫禄を見せつけ決勝進出圏をキープ。オーラスは残る3人全員に可能性があったが、長澤がいち早くテンパイにたどり着く。
を切ると高目タンヤオがつくピンフの3面待ちで、2着の三澤とは1000点差。ピンフのみでは同点となるが、席順の関係で順位は変わらない。非常に悩ましいところだが、長澤はダマテンを選択。結局三澤がドラ切りリーチを敢行し、アガりきって2着の座を守った。
順位 | 選手名 | TOTAL |
---|---|---|
1 | 高山結理 | 50000 |
2 | 三澤瑠花 | 20000 |
3 | 長澤頼花 | 17000 |
4 | 井町梨乃 | 13000 |
高山・三澤が決勝へ。長澤・井町は敗退。
決勝
決勝に進出したのは三澤、高山、伊藤、宮本。初出場かつ1年生の三澤・伊藤と、経験者で上級生の高山・宮本という卓組となった。
東場は三澤、伊藤の1年組がそれぞれ8000点をアガり、2人が競る形で南入。
勝負の分かれ目となったのは南1局。
決勝でもノー理牌続行の三澤が、ドラを3枚を抱えてペン待ちの親リーチをかける。
タンヤオのみでテンパイしていた高山のツモは。ツモ切りリーチもありかと思われたが、危険牌のを押してメンタンピンを狙う。
狙い通りピンフをつけて待ちのリーチ。
めくり合いとなったが、攻めの姿勢を見せた宮本が三澤に放銃。この日何度も奇跡的な手順で振込を回避した宮本だったがついに捕まり、これが優勝の決定打となった。
順位 | 選手名 | TOTAL |
---|---|---|
1 | 三澤瑠花 | 46500 |
2 | 伊藤花菜 | 35000 |
3 | 高山結理 | 13000 |
4 | 宮本ひなの | 5500 |
優勝した三澤さんは「びっくりした。優勝できるとは全く思っていなくて、楽しくできればなと思っていた。応援ありがとうございました」と喜びを語った。
三澤さんには全自動麻雀卓AMOS JP、来年2月3日に行われる「全日本健康麻将選手権」の出場権などが贈られた。
解説の多井隆晴プロは総評で「『人を楽しませるためには自分が楽しまないと』という思いがいつもあって、彼女たちの麻雀を見ていると負けていても楽しそうに打つので、それが今日一番勉強になった。私自身この大会が大切な物になってきているので、Mリーグ初代チャンピオンになった際には恩返しがしたい」とコメントした。
最後にチェアマンである近代麻雀 星野信夫編集長が、第6回大会を2019年8月に開催するという発表をして大会は締めくくられた。
今回優勝した三澤さん、前回、前々回優勝の島村さん、高山さんは全員1年生か2年生だ。次回は3人の優勝者がそろい踏みとなる可能性もあるので、これを楽しみにしたい。
配信
麻雀最強戦チャンネル
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