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ネマタの戦術本レビュー第964回「『データで勝つ三人麻雀』編 その1 著:みーにん 編:福地誠」編

ネマタの戦術本レビュー第964回「『データで勝つ三人麻雀』編 その1 著:みーにん 編:福地誠」編

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

1 データから三麻と四麻の違いを読み解く

四麻もルールによってゲーム展開に違いが生じますが、三麻と四麻の違いの比ではないでしょう。それくらい、三麻と四麻は体感的にはまるで違うゲームです。

しかし、ゲーム展開ではなく、「勝つために為すべきこと」に着目すれば、三麻と四麻は意外と結構近いゲームであることが分かります。天鳳位のコメント通り、基本的なところは一緒なのです。

その理由は、データからみて取れるように、傍観者でいられる割合が低く、その分参加者である割合が高くなること。割合が変わればゲーム展開は全く変わりますが、為すべきこと自体は、牌を組み合わせてアガリを競うという基本が変わらない以上、それほど変わるわけではないのです。

しかも、麻雀は「傍観者の場合にどうすべきか」より、「参加者の場合にどうすべきか」の方が結果に差がつきやすいもの。被追リーチ、アガリ素点が高いということは、それだけ結果が運によってブレやすいということですが、参加者である頻度が高いということは、それだけ技術介入要素が高いということでもあります。「運要素が高い」と、「技術介入要素が高い」は相反する要素ではないということは「麻雀徒然草」でも取り上げましたが、三麻を打ち込めばその事が実感できると思います。

麻雀において、運が悪くて負けるケースは

①他家とのめくり合いで負ける
②他家に高い手をアガられて負ける
③手が入らないので傍観者に徹するよりなく負ける

この3つに分けられます。①、②よりも、③のケースで負けるのが許容し難いという方は、この機会に是非とも三人麻雀で遊ばれることをお勧めします。私も③のケースが一番嫌いなタイプ。やっぱり麻雀では傍観者ではなく、常に参加者でいたいものです。

2 データから勝ち組の傾向を知る

強者ほどアガリ率が高く、放銃率が低い。打点はむしろ若干下がる傾向にある。四麻と同様の傾向で、当然と言えば当然の結果と言えます。

しかし、リーチ率やフーロ率といった直接選択にかかわるデータについては、段位が高くなるほどリーチ率が上がりフーロ率が下がる傾向があるとはいえ、全体としては大差ありません。このことから、数値そのものを強引に上げるのではなく、手組や押し引きの精度を高めることで自然と上げる必要があるということが分かります。

天鳳位のコメントに「意味のない放銃」とありますが、言い替えれば「アガリのリターンがかなり薄いところからリスクを負った結果の放銃」のこと。三麻は四麻以上に、「見た目はとてもよい手」が入りやすいので、ついつい不要な放銃リスクを負いがちになります。手牌に溺れず、あくまで現状の局面から押し引き判断を見誤らないことこそ、勝ち組になるために必要なことと言えます。

「見た目はとてもよい手」が入りやすいというのは、必要以上に打点を追求して結果的にアガリを逃すことも増えるということ。四麻では強引なホンイツ、トイトイ狙いが案外有力になるのは、1000〜2000点程度の手を5200〜8000点にする打点的メリットが大きく、仕掛けを見せることで他家を牽制しやすく、他家にアガられたとしても四麻なら比較的失点が少なくて済むため。三麻ならどんな手でも案外メンゼンでテンパイすることが多く、リーチとドラで十分高打点になりますし、他家にアガられた場合の失点も高くなるため、結果的に強引なホンイツ、トイトイ狙いが有力でなくなるのです。三麻は派手な手が出来やすいですが、派手な手作りに気を取られている相手を尻目に、そこそこ打点のあるアガリを積み重ねることが、三麻で勝つためのコツと言えるでしょう。

上級者から超上級者になるための道は、初心者から上級者になるための道と違うのか、三麻と四麻で変わってくるのかという話については、個人的には、三麻に無い要素を除けば四麻と大差無く、手組や押し引きの精度を高めるという意味では、超上級者への道も、上級者までの道の延長線上に過ぎないと考えます。ただし、精度を高めるための方法論が、マクロな視点からは見えづらく、ミクロな視点、具体的には個別状況下における手牌構成読み、山読み、点数状況判断にあるとみています。

みーにんさんの『データで勝つ三人麻雀』

宇宙初! 三人麻雀のデータ戦術書

スピーディーでゲーム性が高いことから愛好者も多い三人麻雀。四人麻雀に比べると圧倒的にデータの蓄積量が少ないが、本書は麻雀データ研究家・みーにん氏が収集、解析した膨大な天鳳鳳凰卓での実践データに基づいた、前例もそしてこの後にも出てこないであろう、唯一無二の三麻戦術書である。実践の場でどう立ち回るべきなのか、データが導き出す!

【ココがすごい!】
●「ツモ損・抜きドラあり(天鳳ルール)」「ツモ損・抜きドラなし」「ツモ損なし・抜きドラなし(MJルール)」「ツモ損なし・抜きドラあり」の4ルールに対応
●100個以上のグラフ・表・式を駆使
●8代目三麻天鳳位・abantes氏が各テーマごとに解説した実践向きコラムを掲載

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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