- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
26 オリの基本手順
四麻は数牌の筋が18本ですが、三麻はその2/3の12本。字牌や19mのシャンポン待ちも増えるので1.5倍まではいきませんが、無筋の放銃率が約1.4倍に跳ね上がっています。
四麻と比較して特徴的なのは、筋19の放銃率が上がり、両筋456の放銃率が下がり危険度が逆転しているところ。無筋19と片筋456にも同じ傾向が出ています。三麻はシャンポン待ちの割合が高く、その分カンチャン待ちの割合が低くなっているのが理由と言えそうです。
四麻に比べて三麻は筋の本数が2/3になっているにもかかわらず、無筋の放銃率が1.5倍よりは低いとなると、字牌はそれ以上に放銃率が跳ね上がり、放銃率が2倍近いものもあります。シュンツを作らないため、巡目が深くなるにつれて放銃率が大幅に増加し、生牌役牌に関しては12巡目で片筋456と同程度、終盤は無筋19に匹敵する放銃率になるのも特徴的。四麻でも同様の傾向がありましたが、三麻ではより顕著になっていると言えます。
「ダブリーに37牌は危険」は以前からよく言われていることですが、ダブリーに限らず、手作りの痕跡がない序盤リーチについては、ペンチャン1つとリャンメン1つの出現率に大差ないので、筋でも37が片筋456や無筋19以上に、無筋なら37が無筋456と同程度に危険になります。三麻では最序盤リーチも四麻と比べるとかなり多くなるので、このあたりの知識も重要になります。
27 先切り牌の安全度
外側牌の危険度については、天鳳位のコメントにありますように、かなり安全と読める牌から、通常無筋と変わらない牌まであり、全体として筋程度の放銃率に落ち着いているというのが実際のところとみます。四麻でもある程度その傾向がありますが、三麻はなおのこと顕著とみます。
結局のところ、個別局面に応じて、「リャンメン固定の先切り」をする理由がどの程度あったかを推測したうえで判断することになるでしょうか。このあたりの判断は個人的にも苦手なので今後克服していきたいところです。
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