2月16日に開催された第18期雀竜位決定戦3日目の戦い14回戦の観戦記!著者は日本プロ麻雀協会代表の五十嵐毅プロ(@igalin1127)です。
当観戦記は日本プロ麻雀協会公式HPにて公開されたものの転載になります。
▼配信アーカイブ
14回戦(矢島→大浜→坂本→千貫)
【担当記者:五十嵐毅】
【担当記者:五十嵐 毅】
「??」
解説席の堀慎吾が大量の疑問符を付けて叫んだ。
東1局、大浜は2巡目にこの形からを切ったのだ。
この手はマックス役満まで見えるこの形まで育ったが千貫のリーチがかかっており、ドラのを掴んだところでダウン。
しかし、大浜のやる気が次第にアップしてきているのは、手牌ばかりでなく表情からも窺えた。
この日、始まる前は首位の坂本と244.8ポイントも差があった。
それが自身のポイントはさほど変わっていなくとも、坂本の失速により117.5ポイント差となっている。
気合いが入って当然だ。
東2局はドラのがアンコ。
積極的に攻めるがテンパイまで。
東2局1本場、マンズの上が安い場況で矢島がこの絶テンのリーチ。
これを親の大浜が2巡後に追っ掛ける。
ともに山に5枚残りの好勝負だったが大浜が引き勝った。大浜がリードを決定的にしたのが南1局1本場でのアガリ。
千貫のリーチを受けて以下の形。
打でテンパイにとり、これをヤミテンにしていると次巡を引いて-マチで追っ掛けた。
場は坂本が1、2巡目に、矢島が千貫のリーチ後にを3枚並べており、マンズの上は比較的いい。 第1打にを打っている者がいて、固めて持たれている雰囲気もない。問題は、その第1打のが大浜本人だということだ!
堀「大丈夫ですか?フリテンリーチ行くにしても、ちょっと迷っていいところなのにノータイムでしたよ。フリテンに気付いてないってことないですよね?」
そう、大浜のリーチアクションにはまったく淀みがなかった。
のちに本人が語った真相は、
「リーチと言った瞬間には気付いてなかった。リーチ棒を出すとき、正確にはリーチ棒を持った手が捨て牌の上を通過するときに第一打が目に入った」
ということなので、フリテンロン、チョンボの危険性はなかったようだ。
千貫のマチはとのシャンポンだった。
フリテンとはいえ3枚、1枚残っており、放銃も回避できうる最高のマチだった。
10巡目、をツモリ上げて2000・4000。
大浜は持ち点45000を超えるダントツとなった。
オーラス、千貫が連荘して2本場に。
点棒状況は、大浜42700 千貫23900 矢島18100 坂本15300
矢島は坂本より上のままで終わりたい。
最終戦は3者のトップ争いとなるだろうが、坂本が矢島を抜いて三着に浮上すると、矢島はトップを取った上で坂本を○○点差の三着以下にしないといけないといった条件が付いてしまうからだ。
仮に坂本が2600+600をアガッて矢島の上に行くと、トータルは坂本+105.1ポイント、矢島+31.3ポイントとなって73.8ポイントの差が残ってしまう。
2本場、矢島におあつらえむきの手がはいった。
4巡目にをアンコにしてのイーシャンテン。
連荘し続けるしかない千貫がドラのを手放すとポン。
5200を満貫にする必要などまったくないが受け入れマックスに構え、すぐにを重ねてテンパイ。
これに大浜が放銃。
差し込みなどではなく手を進めた自然な放銃だが、満貫まで打てるのは織り込み済み。
矢島の手が満貫だったために千貫まで抜いて二着になったが、坂本の上で終われればOKだったのでその値段による影響はあまりない。
影響があったとすれば、最終戦超デカトップ条件のハードルがさらに2万点上がった千貫だろうか。