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第18期雀竜位決定戦 3日目15回戦観戦記 著:五十嵐毅

第18期雀竜位決定戦 3日目15回戦観戦記 著:五十嵐毅

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2月16日に開催された第18期雀竜位決定戦3日目の戦い15回戦の観戦記!著者は日本プロ麻雀協会代表の五十嵐毅プロ(@igalin1127)です。

当観戦記は日本プロ麻雀協会公式HPにて公開されたものの転載になります。

日本プロ麻雀協会公式HP

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15回戦(大浜→千貫→矢島→坂本)

【担当記者:五十嵐毅】

最終戦を迎え、トータルは未だ坂本が首位であるが、18.7ポイント差の中に3人がひしめき合っている。
これは1着順の差より小さい。
ということは3者の純粋な着順勝負である。
3者のうち、トップを取った者が優勝。
千貫がトップならば二着につけている者が優勝(この場合のみ14回戦オーラス矢島のアガリが満貫で良かったというケースが出てくる)。

千貫は3者拮抗のために誰が二着でもトータル+60ポイントや+70ポイントは残しそうだ。
となると、それを上回る目安として10万点以上のトップが必要か。
ともかく点棒箱があふれかえってからでないと条件が言える立場ではない。

東1局、矢島が仕掛けて300/500と静かな立ち上がり。
東2局、坂本に逸機が訪れる。

当然の切りだが、このを掴んだ瞬間から解説の堀は「いらね~!」と叫んでいる。
次巡、ツモ。
堀「ここで切り……切らない。ツモ切り。う~ん」
次巡ツモ。
堀の手順だとここで-マチのタンピン高目イーペーコーリーチとなっていた。
坂本もピンズの四連形となったところで作り直しを考えたのだろう。長考に入った。
堀「今からでも間に合う。切ろう!」
坂本は長考の末ツモ切ったが、ここで思い直してを切るのが最良だった。
次巡ツモ切りの後のツモが、次が
「痛ってぇ~!」坂本ではない、堀の声だ。

11巡目、親の千貫がリーチ。

すぐに坂本がを引いてリーチ。

だがこの、5巡目の長考時に思い直していればツモを掴まえてハネマンツモとなっていた牌である。
 ツモ

出遅れ、いや勝機逃し感は否めない。
結果はすぐに坂本がを掴んだ。

大きく天を仰ぐ坂本。
裏ドラで3900だが、その点数よりもハネマン逃しがハッキリと見えているだけに「やっちまった感」は半端なかっただろう。
5巡目に当然選択肢にあった切りを選べていればハネマンツモ。
「最終日は苦労したけれど、終ってみたらやっぱり坂本優勝」のシナリオがあったような気がしてならない。


奇跡の逆転優勝めざしてテンパイ連荘で粘る千貫の親を落としたのが遠い所からの仕掛けを実らせた矢島。
タンヤオドラ1だが、3本場で供託が3本もありデカイ。


この半荘まだ千貫がトップだが、矢島は29000点持ちで二着。
つまり現状優勝条件を手にしているのは矢島だ。
東3局、親の矢島は三着目大浜との6500差をもっと広げたい。
しかし坂本にポンと仕掛けられ、ドラのが打ち切れずにいる。

そのドラを切ったのが大浜。
同じ理由で止めていたが、メンゼンテンパイが入ったことでドラ切りリーチと行った。

結果は大浜がツモ。
裏ドラ表示牌にはなんとがいた。

ハネマン。
優勝する者の裏ドラと言ったら言い過ぎだろうか。
何者かが大浜を勝たせようとしている。


東4局はをポンした親の坂本がを加カン、アンカンと暴れたために坂本一人テンパイで流局。

1本場は大浜がリーチしてツモアガリ。

裏ドラも乗り、この1300・2600で大浜はジャスト4万点持ち。
矢島と19400差、坂本と26800差と圧倒的有利に立った。

南1局、大浜の親番は坂本がホンイツで仕掛けたがテンパイせず全員ノーテン。
点差を保ったまま1局消化は大浜にとって好結果。

南2局1本場、坂本に2巡目という早いリーチが入る。

これを9巡目にツモッて5200+300を加点。

同時に千貫の決定戦はここで終わった。

ラス前、坂本が14巡目にリーチ。

このとき親の矢島は受け入れの狭いイーシャンテン。
解説席の堀と五十嵐は「そろそろ形テンでもいいから取ったほうがいい」などと言っていたが、そんな心配無用とばかりに矢島はを引き入れた。

当然のリーチ、するとこれに坂本が一発でを掴んだ。
先程大浜の「優勝者の裏ドラ」などと書いたが、これが連覇する者の生命力かも知れぬ。大浜に一気に6400差と詰め寄った。

次局、矢島が11巡目にリーチ。

このとき大浜はテンパイを入れていた。
アガればゴール直前の勝負所、簡単にはオリないだろう。 というか、そもそも矢島の現物は1牌もない。
ともに1枚残りのめくり勝負だったが、矢島が掴んでしまった。

オーラス。
38600持ってトップの大浜は逃げるだけ。
矢島は11000点差でハネマン条件。 だが坂本がリーチを掛ける可能性大なので、その場合は満貫ツモ同点でトータルは矢島が上でOKとなる。
持ち点5700となっている坂本は、とにかく大浜の上になるまで連荘しなければならない。

6巡目、大浜がテンパイ。

当然のヤミ。
同巡、千貫が大浜の当たり牌であるを掴む。

国士をやっていたがなぜかこれが止まり、以後完全にオリに回る。
最後まで主役に立つことはなかったが、最後まで名脇役だったと思う。

10巡目、坂本がタンピンのテンパイを入れ即リーチ。

緊張感が高まった瞬間に、大浜がを引き寄せていた。完璧なエンディングである。

今期から雀竜位決定戦は5人打ちとなり、A級4位までが勝ち上がりとなった。
運営部の大浜発案だったのだが、あろうことか初めにその恩恵に与ったのが大浜だった。
ただし、いきなり決まったわけではない。
議題が提出されたのは1年以上前で、そのとき大浜はB級に降級していた。

決定戦5人打ちのメリットは『10回戦で敗退確定者、言い換えればマイナスをもっとも多く持っている者が消えることによって最終日の目無し問題が軽減できる』という視聴者目線に立ったものである。
選手総会でも承認され、十分準備されての今期からの適用であった。
大浜がその当事者になったのはまったくの偶然である。

選手としてもA級在籍回数が一番多いが、プレーヤーとしてだけでなくシステム作り・運営といった裏方仕事でも一番情熱を捧げているのが大浜であることに疑う余地はない。
優勝はきっと神様からの贈り物なのだろう。

『巌ちゃん、獲ったよ!やったよー!』

この記事のライター

日本プロ麻雀協会
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