プロ1年目で女流最高位に輝く離れ業をやってのけ、そのまま3連覇を果たした大平亜季。突然上がった檜舞台でメディア慣れしていないせいか、朴訥とした印象を受けた人も多いのではないだろうか。しかし、ひとたびペンを握れば、独特の味わいを醸し出す文章で読者を引きつけ、得意であるデザイン力を生かして、ポップな麻雀雑貨を次々と生み出している。どちらもプロ級といえるほどマルチな才能を発揮している大平だが、本記事ではさまざまな表情に迫っていく。
目次
大平亜季の基本情報・プロフィールデータ
名前 | 大平 亜季(おおひら あき) |
異名 | 不屈のリアリズム |
生年月日 | 1980年9月19日 |
出身地 | 鹿児島県 |
血液型 | A型 |
趣味・特技 | グラフィックデザイン |
本人公式SNS | Twitter YouTube note |
所属団体 | 最高位戦日本プロ麻雀協会 |
プロ入会年 | 2014年 |
主なタイトル | 第14・15・16期 女流最高位 |
大平の得意分野はグラフィックデザインで、NPO法人健康麻将全国会が発行している新聞のDTPデザインも担当している。カラフルな図解やアイコンを効果的に配した紙面は、単なる「会報」レベルではない仕上がりだ。そして、そのデザイン力を生かして麻雀雑貨の制作・販売も手掛けている。麻雀牌や点棒などをポップにあしらった各種グッズの人気は、じわりじわりと広がっている。
デザインセンス抜群の大平亜季プロのネットショップ【ずむや】のオリジナルデザイン雑貨に注目!
経歴
2014年:最高位戦日本プロ麻雀協会第39期前期生としてデビュー
プロ入り1年目で第14期女流最高位に
2016年:第16期女流最高位決定戦で優勝、3連覇を達成
麻雀との出会い・きっかけ
学生時代には🀄未経験だった大平、麻雀と出会ったのは26歳の時。本を読んでいて偶然見かけた麻雀牌の図柄に一目惚れ。ピクトグラムとしての完成度に魅せられ、その瞬間に一生の趣味にしたいと感じた。その後は雀荘のメンバーとして働き、仕事とプライベート、合わせて月300半荘以上は打っていたという大平。そんな中でも麻雀を嫌になったことは一度もなかったという。そして2014年、ついに最高位戦日本プロ麻雀協会からプロデビュー。僅かプロ入り1年目で女流最高位に輝くという快挙も成し遂げたのであった。
大平亜季の打ち方や雀風
大平にとって雀風は、残した結果によって左右されるものであり、対戦相手を判断するためには参考にならないという。実際に自身が女流最高位を3連覇する間にも、「攻撃的」「守備型」の評価が交錯したという。そんな大平は、他人の評価ではなく、自分の中で確立された「雀風」と呼べるものを持ちたいようだ。フリーで長年鍛えた影響だろうか、相手や場況によって柔軟に対応していくタイプだ。手役にこだわらず安い仕掛けも選択することや、愚形リーチで押していくことが少ないのも特徴だ。
大平亜季の対局時の様子
第16期女流最高位決定戦 2016/10.16
2日間8半荘での最終スコアが43.8ポイントという大接戦を制した大平が、デビューから3年目で女流最高位決定戦3連覇の快挙を達成した。南3局でトップ目に出た大平だが、トータル首位のいわますみえが2着目のため、自力で逆転するには役満ツモ条件が残った。ところがオーラス1本場、決着をつけようと勝負に出たいわまが、親に12000点を放銃してラス目まで転落。思いもよらずにトータルトップに浮上した大平が、2本場を平和のみでアガって劇的な決着となった。
大平亜季がオーラス大逆転で3連覇達成!/女流最高位決定戦
麻雀ウォッチ プリンセスリーグ2019 予選第2節Cブロック2卓 2019/7.12
牌効率重視が基本スタイルだが、時にはマジョリティではない打牌選択を見せる大平。2回戦の南3局では、筒子の456が完成して三色も十分見える場面で、大平は萬子の46と落としていく選択。残したカンチャンターツの方が埋めやすいとの判断だった。結果、そのカンチャンをツモって4000オールを決めた。少数派の選択をしてもそこには明確な意図があり、それを実現する。大平の麻雀が魅力的なことを証明する一局となった。
第20期女流最高位戦Aリーグ第4節 2020/7.30
実力者ぞろいのリーグ戦で、大平が手堅い試合運びを見せた。東2局は茅森の先制リーチに対して、1牌だけプッシュしてテンパイをとり、タンヤオのみでかわした。東4局の親番では、まっすぐ平和へと向かい5巡目にリーチ、一発でツモって裏2の6000オール。あっと言う間の出来事だったが、解説のリーチ超人・村上は「リーチしなければつかめない幸運」と評価した。これが事実上の決定打で、その後も細かく加点しながら逃げ切った。
【7/30(木)12:00】第20期女流最高位戦Aリーグ第4節
SNSでの評価・評判
SNS上でも、「大平ワールド」に魅せられたファンのツイートが目立つ。たびたび「ずむや」の商品を身に着けた写真を目にすることも。
大平亜季プロ、丸山プロと同じリーグなのね 頑張ってほしい
— 猛・ダ (@tenma_dalai) October 31, 2020
今をときめくМリーガーにとって、大平が壁になってほしいと願っているファンも多い。
心に沁みる名文です
— M,Koyo (@55punch) February 3, 2021
先ヅモ気味の気味とは何か|大平亜季 @__zm_Ohira__ #note https://t.co/bPgEXAhPV9
「先ヅモ気味の気味とは何か」。どういうこと?と思いながらも、読んでみたくなるタイトルだ。
第20期女流最高位決定戦進出者決定! – 最高位戦日本プロ麻雀協会
— アイスてぃー (@xUwaeYF55aTINdh) September 14, 2020
大平亜季プロの熟年魔女みたいなコメント好きwww https://t.co/weZ3xtKBFP
ふざけたコメントのようにも見えるが、一つ一つが的を射ていてウィットに富んでいる。
大平亜季のニュース・こぼれ話
初の有料記事にチャレンジ
配信サイト「note」でも発信している大平プロだが、自身初となる有料記事にチャレンジした。雑誌のエッセイのように読める大平の文章は、ファンやプロ仲間からも好評を集めている。有料になったのは大平が運営するネットショップ「ずむや」に関する記事。そのほかにも「麻雀に流れはあるか?」の議論を斜め上から見た考察記事など、興味深いものが掲載されている。
「ひのきのぼう」を振り回す麻雀?
2021年5月、シリーズ35周年を迎えた大人気RPGドラゴンクエスト。大平のブログには、実はドラクエワードがたびたび登場する。偶然見つけた味のある店を「ドラクエの防具屋」と例えたり、大敗した自分の麻雀を「ひのきのぼうを振り回す」と表現したり。大平プロが愛着を込めて使う「ひのきのぼう」は最弱装備の代名詞として有名だが、35年たっても愛される名品でもあるのだ。