日本プロ麻雀協会関西本部所属の史上最年少プロ雀士、柴田凛太郎(2010年2月22日生まれ/A型)。高校1年生の柴田は、麻雀との出会いからプロとしての責任、そして将来の展望まで、若さに似合わぬ覚悟と洞察を語った。
奥深さに魅せられ、わずか1年でプロへ
きっかけは中学3年の秋、友人に誘われたネット麻雀「雀魂」。当初は3人打ちで遊び、4か月後に4人打ちを本格的に学び始めると、麻雀の奥深さに引き込まれた。もともと「好きになったことは極める」タイプ。麻雀でも“強くなりたい”という思いが原動力になったという。
ゲームだけでなく、友人宅で集まってのリアル麻雀の面白さに熱中したが、高校生は麻雀店には入れないため、リアル麻雀を打つ環境は限られていた。こうした学生が麻雀に向き合うハードルを感じる中で「プロ」の存在を知り、日本プロ麻雀協会の公式サイトに年齢制限がないことを確認。始めて間もない時期からプロを意識し始めた。
プロ試験に向けた勉強は主にネット麻雀で行った。なかでも特筆すべきは、麻雀店に通った経験がないまま、ネット上の情報とイメージトレーニングだけでリアル麻雀のマナーや作法を独学で身につけた点だ。これには試験担当者も驚いたという。こうして“正規合格”を果たし、プロとしての一歩を踏み出した。
最年少プロとしての責任――「麻雀界にプラスを」
「プレッシャーは特に感じていない」としつつも、「下手な振る舞いは麻雀界全体のイメージを損なう。麻雀界にとってプラスになる言動を心がけたい」と責任は強く自覚する。
プロ入り後のSNS反響は、応援と厳しい声が半々で「想定通り」。プロテスト受験は事前に両親へ伝え、学業や学校生活に支障がない範囲での応援を得た。学校生活は従来どおり、空き時間を麻雀に充てる方針だ。
麻雀界全体に対しては、未成年に対する「もう少しの歓迎ムード」を望む。X(旧Twitter)で未成年を排除するような発言を目にした経験から、若年層をより受け入れる環境整備を求めている。
普及の軸と将来像――「本業にしない」からこその熱
活動の柱は「普及」。ネット麻雀が広がる今、気軽にリアル麻雀が打てる環境づくりに関心が高く、現在は大会の企画なども進める。リアル麻雀が持つコミュニティの力と楽しさを大切にし、「麻雀を本業にするつもりは今のところ一切ない」と明言。そのぶん普及活動を中心にプロを続けていく考えだ。
原動力は「麻雀が楽しいから」。勝ちたい、強くなりたいという自然な欲求がある一方、負けても過度に落ち込まず、足りない点を直し、どうしようもない敗戦は切り替えるのが得意だという。
目標と足跡、そして若者へのメッセージ
今後5年、10年のスパンで「強さ」で認められ、タイトル獲得を目指す。プロ発表前には、一発・裏ドラなしルールの「オータムチャンピオンシップ」関西予選に出場し、一次予選を突破。10月26日には日本プロ麻雀協会関西本部主催の広島支部設立記念プロアマ大会にも参加した。

これから麻雀を始めたい若者へは「まずは知人と楽しむことが一番」と伝える。プロ志望の動機も多くは“楽しさ”から始まるため、「お互い気持ちよく楽しめる環境を作ってほしい」と締めくくった。
柴田にとって麻雀は「あくまで半分は趣味」。だからこそ、何より“楽しむこと”を大切にしている。
柴田凛太郎(しばたりんたろう)プロフィール
2010年(平成22年)2月22日、A型。2025年8月、高校1年生で日本プロ麻雀協会に正規合格し、史上最年少の麻雀プロとなった。好きな役はチャンタ。麻雀以前は小学生の頃からバイオリンを続けている。学校ではワンダーフォーゲル部に所属し、ほぼ毎日練習に励んでいる。




 麻雀ウォッチ編集部
麻雀ウォッチ編集部






 
								
								
















