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ネマタの天鳳日記 第220回

ネマタの天鳳日記 第220回

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 北家が1巡目からいきなりドラをポンして打。染め手ではなさそうなので役牌をトイツ以上で持たれていることが結構ありそうです。

 しかしトイトイやチャンタの可能性もありますし、役牌はあってもまだトイツになっていないかもしれません。ドラポンなら鳴いても打点が落ちにくく、アガリまで遠いなら他家への牽制も兼ねて鳴きたいところですから、必要以上に警戒してアガリ損ねることがないようにしたいものです。

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 とはいえ役牌を鳴かれて満貫手をツモられるようなら放銃しなくても苦しいことになるので、ポンされれば次の危険牌を押すのも厳しい程度に手が進んでいない段階ではまだ切らない方がよいとみて打で一旦絞ります。

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 もう1枚引いてメンゼン三色でテンパイするようなら満貫テンパイ相手でも押しに分があるところ。これなら勝負に見合うとみてを切ります。

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 出来れば打点が欲しい点数状況なのでスルーも考えましたが、既に残っている役牌がなので鳴かれる可能性が高く、鳴かれるようなら悪形残り1シャンテンでは苦しいとみてテンパイに取りました。

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 も鳴かれなかったので役牌トイツを持たれているとすればのみ。そのためをツモったところで反射的に止めてしまいましたが、先述の通りドラポンからの仕掛けならアガリに遠いところからの仕掛けでまだテンパイしていないことも多く、テンパイしていたとしてもトイトイであれば待ちの候補は以外にいくらでもあります。「ツモられるだけでも苦しいから絞る」はあくまで自分の手牌が勝負に見合わない場合の話。安手でも自分がテンパイなら、テンパイしていない可能性が高い仕掛けに通ってない牌を止めるほどではありませんでした。

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 を止めたところから北家がと手出し。この段階で手出しが入るとなると、少なくとも打の時点ではほぼノーテンであったと予想されます。

  序盤でを切っている北家がここでを手出し。単に浮いていたとは考えにくいですし、を切っているのにメンツ候補が残っているとしたらはトイツ落としくらい。トイトイ狙いで他に優秀なトイツができたのでトイツが落とされたと考えると手順に辻褄が合います。

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 がポンされて打。確かにはトイツでした。ここでテンパイ料のためにを切りましたが、よりよく見えるトイツが手牌に残っていると考えると、ここまで1枚も見えていないがトイツ以上で持たれている可能性はかなり高い。少なくともテンパイの時点でを勝負するよりずっとリスクの高い選択でした。

 「この牌だけは切れない」と決めつけてしまうと、必要以上に警戒してアガリ逃しをするだけではなく、他の牌では当たらないつもりになって見合わない手から危険牌を切って放銃するミスも犯しがちになります。

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 東家がテンパイ料狙いでを打って16000放銃。ここまで候補が絞れていると、西家がを切った時点で鳴かれていないというのも押す理由にはならないでしょう。「待ちが絞れている時は当たる理由を探す」「待ちが絞れていない時は当たらない理由を探す」ようにするべきなのですが、今回の止め、押しに見られるように、この逆をやってしまいがちな打ち手は結構多いと思われます。改めて戒めなければならないと思うことでした。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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