2月1日に開催された第18期雀竜位決定戦の戦いの4回戦の観戦記!著者は雀王戦D2リーグ所属の田籠謙介プロ(@donnyoku)です。
【更新情報】
— 日本プロ麻雀協会 (@ClubNPM) February 6, 2020
第18期雀竜位決定戦1日目 4回戦目の観戦記をアップ。https://t.co/zbuE7dUJiY
(文:田籠 謙介)
当観戦記は日本プロ麻雀協会公式HPにて公開されたものの転載になります。
▼配信アーカイブ
4回戦(千貫→坂本→矢島→大浜)抜:吉田
3回戦を終了した段階で矢島が頭一つ抜けた形で迎えた4回戦。
先制したのは大浜。
東1局 西家大浜 ドラ 4巡目
一発ツモ ドラ裏ドラ
打点は変わらないものの、裏ドラも乗り幸先の良いアガリとなった。
大浜自身、3回戦まで良いところが無いと休憩中にぼやいて居ただけに、開始早々でのこのアガリは気持ちを切り替えるのに充分であっただろう。
次局では序盤に南家の矢島が少考。
東2局 南家矢島 ドラ 5巡目
ツモ
567か678の三色の天秤を維持すべきか、場に1枚切れで比較的安全度の高いを残すかの選択。
ドラがということもあり残しの打とし、次巡のでも少考したもののツモ切り。
を切ればくっ付きからの落としも可能だが、常に打点を意識する矢島の強さが垣間見えた。
この局は親の坂本がダブを仕掛け大浜から2900点のアガリ。
続く1本場も坂本、7巡目に絶好のカンを埋めて先行リーチ。
これを3巡後にツモアガリ4000は4100オール。
ツモ ドラ 裏ドラ
大浜、表情には出さないものの楽に打たせてくれないと心の中で苦笑いか。
勢いをそのままに、坂本が序盤から積極的に2フーロの仕掛け。
この局も坂本に点棒を積み上げられるかと思いきや、先にテンパイしたのは同じくピンズに寄せていた下家の矢島。
東2局2本場 南家矢島 11巡目
ドラ
場況はピンズが高く、坂本が10巡目に始めてのピンズを切ったところ。
そこに矢島が、、、ションパイのと超攻撃的な打牌を見せる。
これにはイーシャンテンだった坂本も受けに回るしかなく、矢島の一人テンパイで流局となった。
坂本を追う立場となった大浜が終盤にリーチ。
東3局3本場 南家大浜 ドラ 13巡目
ツモ
マンズが高い場況であったため、ピンフは消えるが放銃リスクが多少低くリーチ後のカンも見据えた打でリーチ。
これを一発でツモると裏ドラが。
結果的にはどちらを切ってのリーチでもハネ満のアガリであったが、大浜らしい丁寧な選択であった。
東4局は配牌からドラ対子の坂本が順調なツモをみせ先制リーチ。
東4局 西家坂本 ドラ 7巡目
ここまで参戦できていなかった千貫も、並び対子の形へ※③をツモり追っかけリーチ。
東4局0本場 南家千貫 ドラ 12巡目
しかしすぐに坂本のアガリ牌であるを掴んでしまい放銃。
これが裏ドラ3枚モロ乗りの跳満となり、千貫にとっては踏んだり蹴ったりの結果となってしまった。
痛い失点となってしまった千貫であるが、次局ではメンタルの強さを見せる一打があった。
南1局 東家 ドラ 4巡目
ツモ
打でタンヤオ固定をしそうな所だが、麻雀の基本である5ブロックを維持する打を選択。
麻雀教室の講師でもある千貫は、どんな時でも生徒のお手本となる手筋を示しているのだろう。
この局は序盤に西家の矢島が中ぶくれのをポンし、タンヤオ気配の仕掛け。
南1局0本場 西家 ドラ 5巡目
ポン
この仕掛けをみて、点棒の無い千貫の親番を流してラスを押し付けたい矢島と、点棒があって局数を進めたい坂本の利害が一致。
坂本からの積極的なアシストで思惑通りのアガリをものにした矢島。
流石の千貫にも焦りが見えてきたか?
親番も無くなり少しでも素点を稼ぎたい千貫、にをくっ付けて確定三色をリーチ。
南2局 北家千貫 ドラ 8巡目
数巡して矢島も無スジのを押してテンパイ、慎重にヤミテンに構える。
南2局 南家矢島 ドラ 11巡目
更に親番の坂本もドラをポンしてテンパイを入れる。
南2局 東家坂本 ドラ 12巡目
ポン
これにはテンパイを入れていた矢島もギブアップ。
坂本・千貫の二人テンパイで流局となった。
リーチが不発に終わった千貫にまたもチャンスが到来。
南2局1本場 北家千貫 ドラ 1巡目
ツモ
打の後にを重ね、ドラを鳴いてバックのテンパイ。
巡目も早く今度こそはアガリに繋げたいところだが、ここでも親番の坂本が割って入る。
6巡目に追いつきリーチ、これをツモり2000は2100オール、供託も回収し大きな加点に成功。
坂本はこの後もアガリ続け60000点オーバーのトップ目。
そこへ待ったをかけたい矢島がをアンコから1枚切り、リャンメン待ちとしリーチ。
南2局4本場 南家矢島 ドラ 9巡目
後の無い千貫はドラ対子を生かしたいとの思いからを勝負するも、敢えなく一発で放銃。
南2局4本場 北家 ドラ 9巡目
ツモ
裏ドラも乗り5200は6400、千貫にとっては試練の南2局となってしまった。
しかし続く南3局で大きな加点に成功する。
南3局0本場 西家千貫 10巡目
ツモ ドラ裏ドラ
三着目の矢島の親っかぶりで、一気に3800点差まで迫る。
その千貫の反撃もここまで。
着順浮上の見込める仕掛けをするも、3者にしっかりと受けられ全員ノーテンで流局。
結果こそ大きく差がついたものの、実力伯仲とは正にこの事。
特に決定戦は攻めとオリ以外に協力関係を含めた対人ゲームの要素も強まっているから面白い。
・・・自分は以前の所属団体で足の引っ張り合いしか経験してない気がするが何故だろう?
>気のせいって言っとけ!!(笑)
(文:田籠 謙介)