ウェブメディアでよく読まれる記事として、「ランキングもの」があります。
「住みやすい街ランキング」や「働きやすい会社ランキング」という見出しがあると、ついクリックしてしまいますよね。
ただ、ランキングをうのみにするのは、少し危ない面もあります。
例えば、「A社はB社より働きやすい」というランキングがあったとして、A社の社員全員が、B社の社員全員よりハッピーだとはいえないでしょう。A社で居心地のよくない人もいれば、B社で生き生きと働いている人もいるはずです。
同じことが、麻雀の待ちの形にもいえます。
待ちの強さランキングは、
三面張以上の多面待ち>リャンメン待ち>ノベタン待ち、亜リャンメン待ち>シャンポン待ち、カンチャン待ち、ペンチャン待ち、タンキ待ち
というイメージです。多面待ちはなかなかできないので、普通は、リャンメン待ちを目指します。
が、同じ会社の中でも個人差があるように、同じリャンメン待ちの中でも、アガリやすさにはかなりの差があります。
結論からいうと、アガリやすさは
1) 1-4待ち、6-9待ち
2) 2-5待ち、5-8待ち
3) 3-6待ち、4-7待ち
の順です。
「リャンメン待ちでリーチしているのに、あまりアガれず、追いかけられて振り込んでしまう」という方は、最終形が頻繁に3-6や4-7待ちになっている可能性があります。自分が最後に何で待っているか、その時にアガれたかどうか、記録をつけてみると面白いと思います。
差が生まれる理由は、「1や9の端牌は他家がよく切るが、真ん中の牌はあまり切ってくれないから」です。
論より証拠で、実際の対局で、河に切られる牌を調べてみましょう。
今回は、Mリーグ2020レギュラーシーズンの、第1節第1試合と、第2節第1試合で切られた牌を数えました。
わずか2半荘なので、データに偏りは出ますが、大きな傾向をつかむには十分です。
画像認識で自動計算--のような先端技術はないので、古来から伝わる「正」という字で数えます。なんかすごく暇な人みたいですね(汗)
この結果を、グラフにしてみます。
字牌が多く切られるのは当然として、数牌のなかでも、1と9が圧倒的によく切られるのが分かると思います。
麻雀は牌をつなげるゲームなので、つながりにくい端の牌は、不要なことが多いわけです。
これは他家のリーチを受けた後も同じで、安全牌に困った場合は、俗にいう「端っこアタック!」で、1か9を切ることがよくあります。
1か9で放銃してもタンヤオがつかず、にも直接絡まないので、打点が高くなりにくい、という安心感があるからです。その結果、1-4待ち、6-9待ちはアガリやすくなるのです。
この特徴を、手組みでどう生かすか、考えてみましょう。
下のようなイーシャンテンになったとします。
ツモ
メンツが多い6ブロックの状態なので、、、 の3つのリャンメンターツのうち、どれか1つを切ることになりますね。
最終の待ちになった時に強いのは、で待てると、で待てるです。
よって、を切っていくのがアガりやすい選択になります。
(もちろん、既にやが既に4枚とも切られているなどすれば、話は変わってきます。常に、自分から見えている残り枚数は意識してください)
なお、
ツモ
のように、タンヤオが狙えるときは、やでアガると打点が低くなるので、アガりにくくなることを承知で、あえてを残すこともあります。
また、将来のくっつきテンパイを考えて、孤立牌を選ぶとき、5を残していると、4がくっつくと3-6待ち、6がくっつくと4-7待ちの、弱いリャンメン待ちになります。一方、3を残していると2を引けば1-4の強い待ちになりますし、7を残していると、8を引いたときにやはり強い6-9待ちになります。
つまり、3や7を残していると、将来優秀なリャンメン待ちに育つ可能性が高く、それだけ価値が高いといえます。
また、上のグラフを見てわかることは、カンチャン待ちでも、2か8で待つカンチャン待ちは、悪くないということですね。カンチャン待ちは「愚形待ち」の一つに分類され、ダメな待ちのようなイメージですが、2と8で待てる場合は優秀です。
2と8はもともとよく切られる牌ですし、リーチをかけても、自分の河に5があれば、2や8はスジ牌として、他家から切られやすくなります。
同じスジでも、3や7は、ペンチャン待ちにも当たる危険な牌なので、中上級者はなかなか切ってくれません。それに対して、2や8は比較的出やすいのです。他家が「2か8のカンチャン待ちに当たっても、タンヤオではないよね」と考えてくれることも、出やすい理由です。
もし2か8のカンチャン待ちが最終形になった場合は、愚形待ちだと思わず、ほぼリャンメン待ちぐらいの気持ちで堂々とリーチするのも、有効な戦術です。
次回は、「常に打点アップを狙おう」というテーマでお届けします。