『麻雀勝ち確システム』のレビューを始めました。こちらでは本書のコラムを読んで思ったことを徒然なるままに書かせていただきます。
コラム5 麻雀は1位を取るゲーム
「麻雀は1位を取るゲーム」。もちろん誤りではないのですが、それを目標にしてしまうと、1位を取るのが難しい局面での打ち方が雑になりがち。麻雀に限らず、人は「損切り」、マイナス同士の比較が苦手なもの。どんなに上手くなっても運次第で簡単に負けるゲームにおいて目標とすべきなのは、「与えられた状況の中で最も高い順位を取る」ことであり、「トップを目指すこと」ではありません。
しかし、自分は2着抜けなら得意だと思っている方が居るとするなら、仮に2着の価値が高いルールで打っているとしても、必要以上に打ち方が消極的になっている恐れがあります。具体的にはリーチすべきところをダマにする、テンパイから押すべきところで降りることが多いなどが挙げられます。
このような心理的傾向は、「プロスペクト理論」で説明がつきます。人は利益を得る場面では「利益を確実に手に入れることを優先」し、反対に損失を被る場面では「損失を最大限に回避することを優先」する傾向があるという行動経済学の理論です。「勝っているからダマ」「勝っているから降り」もちろん順位を競うゲームである以上、勝っている時ほど安定志向が正着になりやすいですが、元々そういう傾向が人には備わっているものであることを意識していないと、気付かぬうちに損な選択を積み重ねることになりかねません。「2位でいいや」と思いがちな人ほど、「麻雀は1位を目指すゲーム」。「麻雀はトップを取ってなんぼ」と思いがちな人ほど、「トップが難しい時こそ丁寧に」。自分の体に染み付いている先入観から離れることこそ、今以上に麻雀が強くなるために必要なことかもしれません。
麻雀を始めた時は、トップ以外の評価に無頓着であるが故に、今以上にトップが取りたいと思っていた方が多いと思いますが、実は私の場合はむしろ今の方がトップ取りたがり。対人戦デビューが、麻雀格闘倶楽部(完全順位戦で東風戦は1-0-0-▲1、半荘戦は2-1-▲1-▲2)だったのでトップの価値がそれほど高くないこと。根っからの臆病だったのでラスだけは引きたくないと思ってすぐにベタオリするタイプの打ち手だったためでしょうか。私の麻雀歴については、またどこかで日を改めて書こうと思います。