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もっと勝つための現代麻雀技術論 第187回 「リーチとダマの分岐点④」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第187回 「リーチとダマの分岐点④」

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 今回は、リーチのデメリットの一つ、「手変わりを失う」ことを理由の中心としてダマ(またはテンパイ外し)にすべきケースを考えます。先制テンパイから手変わりを待つ基準については、第4回で取り上げました。被先制時はどのように判断が変わるでしょうか。

打点上昇の手変わりについては、先制時より価値が下がる

 既に他家からテンパイが入っている以上、たとえ巡目が早い段階でも手変わりを待つ猶予はあまりありません。打点上昇の手変わりのためにアガリ率を落とせばそれだけ失点する機会も増えます。

 ですから、「打点上昇」を主な理由として、先制時なら手変わりを待った例については、「手変わりを待つ猶予はない」と判断してテンパイに取り、メンゼンテンパイの場合は(これまで取り上げたような、他にダマにする要因がなければ)リーチします。

良形変化の手変わりについては、先制時と同様に判断する

 被先制時は手変わりを待つ猶予はあまりありませんが、テンパイ時の待ちの強さ自体は、先制時より重要です。自分のアガリによって放銃、被ツモの失点を防げるからですね。

 厳密な基準を作るのは難しいですが、「良形変化が豊富である」ことを主な理由として、先制時なら手変わりを待つ例については被先制時も基本は手変わりを待ちます。

 そこから、「巡目が深くなり先制時でも手変わりを待つよりは即リーチ有利」になれば追っかけリーチ、「このまま押すよりは、危険牌を止めて降りる(もしくは回し打ちする)方がよい」のであれば危険牌を止めることになります。

 一見、一貫性のない選択にも見えますが、それまではリーチしない方が有利であったが、リーチ(あるいは降り)が有利になるだけの状況の変化があったということですから特に問題はありません。

 むしろ、仮に最初にダマにした時点で、実はリーチ有利であったのであれば、一貫性には反しますが、次巡以降もリーチ有利であるならリーチすべきです。打牌選択の優劣を比較する時は、あくまで現時点での評価で比較すべきです。

 但し、メンゼンでテンパイした時の押し引き判断については、「テンパイしたら最初から追っかけリーチ」または「最初から降り」が正着であることが多いのも事実です。

 押し引き判断は攻めるか降りるかをはっきりさせるのが原則であることを念頭に置いたうえで、微妙なケースについて、「即リーチ」「ベタオリ」以外の選択肢がないかを意識するようにしたいですね。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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