第5回で、「有効牌の枚数を数える必要はほとんどない」と申しましたが、これは、「数えないと有効牌が何枚あるか分からないような手牌に関しては、有効牌の枚数以外の要素で何を切るべきか決まることがほとんどである」という意味であり、受け入れ枚数が重要ではないという意味ではありません。
実戦で把握しておくべきことは、「見えている枚数」です。特定の牌が1枚多く場に見えているかどうかで打牌判断が変わることはよくあります。麻雀牌は1種につき4枚までなので、特定の牌が何枚見えかは数えなくても見れば分かります。特に場に多く見えている牌については確認しておきましょう。
上の牌図。ドラ北は残しておきたいところですがテンパイする受け入れでは結構差がつき、先にを引いた場合も待ちのメンピンイーペーコーが単騎のイーペーコードラドラと比べてそれほど劣らない。共通の有効牌を引いた場合に損しないなら打…としましたが、今回はが4枚見え、が3枚見え。打ツモも残り1枚の待ちで手変わりもあまり強くないテンパイなので、実はテンパイしてリーチを打つ受け入れ枚数でも大差ありません。それならドラ重なりをみて打がよいでしょう。
テンパイしたけれど残り2枚のカンチャン待ちということで反射的にダマにしてしまいましたが、4枚、3枚見え。このは他家の誰も持ってなければ使える手牌にもなっていないことは明らかです。残り4枚のカンチャンでも中盤以降となると山に残っているのは2枚以下であることが多いので、むしろ通常のカンチャン待ちよりずっとリーチが得な局面でした。
リーチしていれば止められた可能性が高いですが、1300のアガリならテンパイ料と比べても大差ありません。何枚見えているかを把握しておく必要はありますが、見えている枚数そのものにこだわる必要はありません。薄い待ちでリーチを打つかどうかはそれこそ場況で判断が変わることが多いので、なおのこと、場を見て局面を正しく把握することを怠らないようにしたいものです。