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ネマタの天鳳日記 第221回

ネマタの天鳳日記 第221回

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 勉強会の一戦より取り上げます。南家のリーチに悪形残り1シャンテンと考えると降りたいところですが、東家でドラドラ、切る牌が宣言牌とはいえスジ、リーチ者はドラを持っていない可能性が高いと考えるとまだ押せそうにも見えます。実際、完全にベタ降りするのと比較すればここでを押すのも決して悪い選択ではありません。

 しかし、現物のを落としたとしても完全に降りるとは限りません。

 その後引いた無スジがなら待ちのテンパイというように、たまたま引いてきた無スジが手牌で使える形になってテンパイできる可能性もあります。一方打として1シャンテンを維持しても、テンパイする前に無スジの浮き牌を引くようならと切っていくことになります。

 よって、シャンテン戻しになるとはいえ、実はアガリ率にそれほど差がつくわけではありません。それならここでは一旦打として回すのがよいのではないでしょうか。

 実戦で押すかどうか微妙な場合は、真っ直ぐ押さないとしてもアガリ目が完全に消えるわけではないことが多いものです。基本的な押し引き基準を押さえていることが前提ですが、そのうえでは「押すかどうか微妙なら真っ直ぐ押さない方がよい」つもりで打つことをお勧めします。

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 手牌だけ見れば子の悪形残りドラ1と先ほど以上に引き寄りの手牌ですが、リーチ以前にと切られているので、は悪形待ちにも当たりにくいスジ。リーチドラ1悪形でもテンパイさえすれば押しが悪くない以上このは切ります。

  実戦で基本的な押し引き基準では引き寄りな手牌でも押せるのは、「切る牌がほぼ通ると読める」「点数状況的に降りない」のどちらかです。こういうケースは情報が把握できてさえいれば迷わず押せます。

 よってこのことからも、基本的な押し引き基準に照らし合わせた時に、「押すかどうか迷う」場合は、真っ直ぐ押すよりは引くことを考えた方がよいと言えるのではないでしょうか。

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 結果はが南家のアガリ牌。一発裏1で5200でした。放銃そのものは結果論ですが、押すかどうかも、常に他の打牌との比較であることは押さえておきたいところです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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