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ネマタの手組の達人 第33回

ネマタの手組の達人 第33回

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 ドラ

「23322」の形で、ターツが全てリャンメンで浮き牌無し。アタマを固定することでいわゆる「完全1シャンテン」に取れる形です。

第2回と異なるのは、受け入れを狭めるリャンメン固定によって打点を上げる変化が残るということ。打としてツモからアタマ固定、あるいは聴牌を逃すツモから落としで、高めタンヤオから確定タンヤオになるうえに、高め2つ条件とはいえ678三色受けができます。大雑把に見て1翻アップくらいの価値はありそうです。

リャンメン固定同士でも打以外に打が考えられます。高め一盃口の受けが無くなる代わりに、ドラ引きでも1翻アップの手変わり。聴牌を逃すツモも、ドラ受けとピンズ4メンチャンが残ることから打ツモの変化に勝ります。

受け入れ同士や変化同士の比較。あるいは、シャンテン数を上げてまで手変わりを狙うかどうかについては、より価値の高い手牌になる選択を優先すれば大体対応できるのですが、受け入れを最大にする選択と、受け入れを狭める代わりに、狭めた以上に強い変化が残る選択を直接比較するのは難しいものです。

こうしたケースで参考になるのが、「ツモアガリ確率計算機」。早速今回の牌姿を入力してみることにしましょう。

西家6巡目につき残りツモを11回と想定するなら、得点期待値最大は3択のいずれでもなく、何とリャンメン落としの打!アタマ固定かターツ固定かで迷ったら、をそれぞれ浮き牌に見立てて、最大限に手変わりを狙うターツ落としが候補に入ります。

例えば打として聴牌を逃すツモでも、打として。良形聴牌が残りやすいうえに手広い1シャンテン。しかも678三色になるかドラを引き入れての跳満もあります。打点込みで高めタンヤオのメンピン待ちよりも優れている1シャンテンと言っても過言ではないでしょう。

しかし「ツモアガリ確率計算機」は流局までツモれることが前提で、他家にアガられることによる失点までは考慮されていません。そのうえで西家6巡目設定で「期待値最大とはいえ僅差」なのですから、実戦的には落としの猶予があるかどうか微妙とみて、個人的には次に期待値の高い打に軍配が上がるとみました。これがもう少し巡目が早い、あるいは高打点が必要な局面を想定するなら打。もう少し巡目が遅い、あるいは打点の必要性が薄い局面であれば打というところでしょうか。

「完全1シャンテン」の由来と、その評価の変遷についてはこちらで取り上げました。『Suphxの衝撃』を見る限り、完全1シャンテンに取らないだけの理由がある牌姿、局面は案外少なくないように思われます。諸要素を実戦でどの程度反映させるかを判断するのは何とも難しいものですが、これから突き詰めていきたいものです。

手組の達人第34回

 ドラ

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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