『超メンゼン主義麻雀』レビューさせていただいております。筆者のリツミ氏とは直接の面識はありませんが、本のコラム内で出てくる「天鳳のSNS」があった頃、メンゼン派の強豪である筆者が、鳴き派の代表(?)的な戦術サイト、「現代麻雀技術論」に疑問を呈するブログを書いていたという話を小耳に挟んだことがありました。そういう事情もあり、本書は昨今の戦術書の中でも特に内容が気になった一冊でした。ちなみに、コラム内で登場している真鱈氏とはハンゲームの勉強会で何度となくお話させていただいた方で、奈落の王氏の名前の由来は、ネマタ同様、MTGのカード名です。
フーロ率22%ともなると、天鳳IDのフーロ率が40%の私とは根本的に打牌基準が違うと思っていたのですが、本書で扱われている鳴き判断については、驚くほど異論が無いものでした。同じように打たないものはいくつかありましたが、それにしても本書の選択が損だとは思えないものばかりです。
鳴き判断を中心に扱った戦術書の代表と言えば、堀内氏の『麻雀麒麟児の一打 鉄鳴き』が挙げられます。こちらでは自分でも実戦では反応できなさそうな鳴きがいくつも取り上げられており、まだまだ自分は鳴き足りないのではないかと思わされました。「勝つための現代麻雀技術論」の鳴きの項目は、本書の影響を大いに受けております。
しかし、当の堀内氏のフーロ率は35%程度と、当時の私よりずっと低いもの。鳴くかどうかの基準自体は大差ないどころか、堀内氏の方が鳴き寄りに見えるにもかかわらず、どうしてこれだけ差がつくのでしょうか。
こういった疑問点を踏まえたうえで、次回からは「フーロ」をテーマに、徒然なるままに記事を書き連ねることにいたします。