プロ入り11年目となる2023年、三浦智博は初タイトルとなる第40期十段位を獲得した。以降頭角を現し、同年に第48期王位、翌年には十段位を連覇。2025年には第4期小島武夫杯帝王戦を制覇し、Mリーグ2025-26シーズンドラフト会議にて、アース製薬率いる「EARTH JETS(アースジェッツ)」からドラフト2位指名を受けた。麻雀を覚えてから約20年間、実戦半荘5万回以上において「一打入魂」を貫いてきたその原動力とはーー。
どんな少年時代でしたか?
三浦は3人兄弟の長男として、愛知県小牧市で誕生した。「中学、高校では野球部に入ってました。守備は下手だったんですが、バッティングは通算4割程打っていたので、試合には代打で出てました。小牧市には、アメリカ野球殿堂入りしたイチローさんが通ってたバッティングセンターがあったので、そこにはかなり行ってました。イチローさんのサインや写真がそこらじゅうに貼ってあり、私は右投げ右打ちなんですが、たまにイチローさんの真似をして、左打ちで打ったりすることもありましたね」
麻雀を始めたのはいつ頃?
麻雀との運命の出会いは高校1年の夏だった。「同学年の野球部員が30人程いたのですが、麻雀ができる仲間が多かったので、教えてもらったのが最初でした。野球の練習が終わったら友達の家に集まって、成績をつけながらやってたんですが、麻雀は自分に合っている感覚があり、向かうところ敵なしでした。それが成功体験なのかもしれませんが、とにかく楽しかったので、一気に麻雀が好きになっちゃいました」

プロ入りしたきっかけは?
高校卒業後、名古屋工業大学に進学した。「大学生になってから、麻雀店でアルバイトも始めました。ただすでに麻雀が好きになり過ぎていたので、いつかは麻雀プロになって、麻雀の道で生きていきたいという気持ちがどんどん大きくなっていきました。両親に大学を中退して麻雀プロになりたいと相談したら、卒業してからのほうがいいと思うが、好きにしていいと理解してもらい、2011年に大学を中退して上京し、麻雀店で働きながら、23歳の時にプロテスト受けました」
自身の中で転機となった対局は?
2003年に麻雀を覚えて以来、これまで5万半荘以上打ち込んで来た。「東京に来てからは月最低400半荘ほど打ち込む生活が10年以上続きました。転機は2020年、麻雀最強戦2020に〝次世代プロ集結麻雀代理戦争〟というカテゴリーで、荒正義プロから推薦を頂いて出場させてもらったことでした。圧倒的な実績を持たれているレジェンドの荒プロから推薦を頂けたことは本当に光栄で、おかげで優勝することができました。翌年、荒プロは第38期十段位を獲得し、日本プロ麻雀連盟の5大タイトル(※)制覇、史上初のグランドスラムを達成されるんですが、その時の決勝で敗れたのが私だったので、不思議な巡り合わせを感じています」
※日本プロ麻雀連盟の5大タイトル:鳳凰位、十段位、王位、麻雀マスターズ、麻雀グランプリMAX

リラックス方法は?
対局前の過ごし方にはこだわりがある。「対局前日はサウナに行きます。サウナに行くようになってから、自団体のAリーグに昇級し、十段戦も5年連続決勝に残っているんです。サウナ効果で疲れが取れ、体調万全でいい麻雀が打てる気がするんですよね」

Mリーグ2025-26シーズンデビュー当時の心境は?
Mリーグ初トップはデビュー7戦目だった。「開幕当初は、振り返ればプレッシャーを感じていました。企業から指名してもらってチーム戦で打つ麻雀は、今まで個人で戦ってきたタイトル戦やリーグ戦とは違った重みがあるので気負っていたんだと思います。半年ほど経った現在は、舞台慣れしてきたというか、シンプルに目の前の1戦1戦を頑張ろうと思っています」

Mリーグ参戦以降、自身の麻雀に変化はありましたか?
自団体のリーグ戦は一発裏ドラ赤牌なしのルールだが、Mリーグルールには一発裏ドラ赤牌がある。「Mリーグに対する勉強量は、ここ半年ぐらいでめちゃくちゃ増えたんで、単純に変化はあったと思います。各選手の牌譜検討配信等、さまざまな情報も取り入れながらアジャストしている感じです」

チーム内の雰囲気は?
チームはアース製薬で顧問を務める川村芳範監督の元、石井一馬、逢川恵夢、HIRO柴田、三浦という4人編成だ。「試合に臨む時、監督からは心構えというか、気にしないで行ってこいみたいな感じで送り出してもらえるので心強いかぎりです。試合後は、チームメイトとすぐに意見交換できる環境なのですごくありがたいですね」

麻雀に対する向き合い方
常に心がけていることがある。「麻雀プロとして生きていく上で、どんな対局でも人生が変わるかもしれないという気持ちで、常に打っています。実際、帝王戦を獲得した時は、厳しい状況から4連勝して予選を突破できたので勝つことができました。十段戦も決勝に初めて残った年は四段戦から出場し、9連勝して決勝に残りました。翌年はベスト16から出場して優勝は逃したものの、翌々年に三度目の挑戦でタイトルを取れたんです。決勝で二度敗れていなければ、初タイトルはなかったと思うんで、どんな対局でも人生が変わる可能性ってあると思うんですよね」
モチベーションを保つ秘訣は?
「どんな対局においても、一打一打に集中力を保ち続けられるのは、ずっと麻雀が好きだからなんですよね。すべては〝好き〟が原点なので、プロになってからも、どんな状況に置かれても、そこは変わらず継続できているんだと思います」

2026年の目標は?
「Mリーグ優勝と鳳凰位が目標です。チームスローガンである〝人事を尽くして天牌を待つ〟覚悟です」
◆取材構成:福山純生(雀聖アワー)
三浦智博(みうら・ともひろ)プロフィール
1987年4月26日、愛知県小牧市生まれ。B型。日本プロ麻雀連盟、EARTH JETS所属。主な獲得タイトルは第40・41期十段位、第48期王位。第4期小島武夫杯帝王戦、麻雀日本シリーズ2025。異名は〝変幻自在の感覚派〟。趣味はサウナ。勝負めしはカレー。「玉ねぎが大好きなんで、自炊する時はカレーにたくさん入れて食べてます」
| 年 | 年齢 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 1987 | 0歳 | 愛知県小牧市で3人兄弟の長男として誕生 |
| 1993 | 6歳 | 小学校ではソフトボール子供会に入る |
| 1999 | 13歳 | 中学では野球部に所属 |
| 2002 | 16歳 | 高校では野球部に所属。麻雀を覚える |
| 2005 | 18歳 | 名古屋工業大学入学 |
| 2009 | 22歳 | 大学を中退して上京し、麻雀プロを目指す |
| 2010 | 23歳 | 日本プロ麻雀連盟にプロ入り |
| 2020 | 33歳 | 麻雀最強戦 次世代プロ集結 麻雀代理戦争 優勝 |
| 2023 | 36歳 | 第40期十段位、第48期王位 |
| 2024 | 37歳 | 第41期十段位 |
| 2025 | 38歳 | 第4期小島武夫杯帝王 EARTH JETSからドラフト指名を受ける 麻雀日本シリーズ2025、A1リーグ昇級 |
























