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EARTH JETS・石井一馬「Mリーグのおかげで、応援文化に触れることができました」Mリーガー列伝(51)

EARTH JETS・石井一馬「Mリーグのおかげで、応援文化に触れることができました」Mリーガー列伝(51)

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 19歳でプロ入り以降20代ですぐに頭角を表し、麻雀マスターズ、王位戦、飯田正人杯最高位戦Classicを制覇。30代で念願の最高位戦日本プロ麻雀協会の最高峰タイトル「最高位」を獲得。Mリーグ2025-26シーズンから新規参入したEARTH JETSからドラフト1位指名を受けた石井一馬の素顔に迫るーー

小中高時代に熱中していたことは?

 石井は3人兄弟の長男として誕生した。「小学校の頃はスーパーファミコンに夢中でした。お母さんが熱血教育ママだったんで、ゲームは1日1時間までと決められていたんですが、ゼルダの伝説が好きでしたね。中学では授業に剣道があったので、どうせならと剣道部に入り、高校でも剣道部に入ってました」

麻雀との出会いは?

 麻雀を知ったのは中学2年生の時だった。「父親からネット麻雀を勧められ、すぐにその魅力に引き込まれました。1浪して千葉工業大学に入学してからは、ネット麻雀で培ってきた技術を、リアル麻雀で確かめたいという気持ちが大きくなり、麻雀店でもアルバイトを始めました。ただ麻雀があまりにも好き過ぎて、麻雀で生計を立てる方向で考えたほうが、人生が豊かになるかもなと思って親に相談したら『大学を卒業してからなら何をしても自由にしていい』と言われました。それでも諦めきれず、麻雀は頭脳ゲームだから早いうちから本格的に始めたいと母親に伝え続けているうち『いくら言っても無駄なんでしょ。麻雀の世界で頑張るなら頑張り切りなさい』と認めてくれました」と大学を1カ月で中退し、麻雀プロの世界に飛び込んだ。

Mリーグの牌譜検討も行っているYouTube『石井一馬のづまチャンネル』

プロ入りへの経緯は?

 最高位戦日本プロ麻雀協会を選んだのは、ある“縁”を感じていたからだという。「高校時代、友人の家で初めてMONDO TVの麻雀対局番組を観た時、その友人から飯田正人さんと金子正輝さんはすごい強いんだぞと聞いたことがあったんです。また当時人気だったオンライン麻雀ゲーム「東風荘(とんぷうそう)」を通じて石橋伸洋さんと知り合いだったこともあり、3人が所属していた最高位戦日本プロ麻雀協会を受験しました」

プロ入りから20年目、38歳の時に念願のタイトル「最高位」を獲得 ©︎最高位戦日本プロ麻雀協会

飯田正人プロと金子正輝プロと会った時の印象は?

 過去四度最高位を獲得している金子正輝プロと、十度獲得し永世最高位となった飯田正人プロ(享年63)は、まさに雲の上のような存在だったという。「金子さんに初めてお会いしたのはプロ入り5年目、Aリーグに上がった時でした。それから2年後、金子さんの思考を学びたいとお願いし『ねこけん』という勉強会を開催して頂きました。飯田さんは私がAリーグに上がった年の納会で話をさせてもらったのが最初で最後でした。飯田さんを倒したいんですと言ったら、俺もけっこう強いよと言ってくれたことは今でも覚えています」

金子正輝研究会『ねこけん』は『麻雀スリアロチャンネルYouTube』で視聴できる ©︎麻雀スリアロチャンネル

ご自身のストロングポイントは?

 Mリーグではチーム優勝、個人10勝を目標としている。「麻雀で勝つためにはどうすべきなのか。学生時代の頃に考えたとき、感情が必要ないゲームだなと思ったんです。もともと気性は荒いほうだったんですが、麻雀で起こりうるあらゆる理不尽なことにもちゃんと向き合って打ち続けていこうと意識してきました。なので対局中は感情を抑制し、ブレずに打ち続けられることは自分の武器かもしれません」

軽妙なトーク力も魅力だ。「チームメイトとよく話して、麻雀もして、その上でチームを引っ張っていけるような存在になれたらなと思っています」

対局前のルーティンはありますか?

 夫婦で行うゲン担ぎは楽しみのひとつだという。「タイトル戦の決勝前等は夫婦で鹿島神宮に行ってお参りして、とんかつを食べています。もともとゲンを担ぐ習慣はなかったんですが、嫁さんがゲン担ぎが好きで、神社行っていい結果出たらいいじゃないと言われてから行くようになりました。Mリーグは毎週試合があるんで、とんかつを食べるぐらいですが」

Mリーグデビュー戦にはどういう気持ちで臨みましたか?

 EARTH JETSは開幕戦に出場する選手を大会形式のYouTube企画で決め、石井はその権利を勝ち取った。「開幕戦はワクワクしながらも、責任を感じていました。対局相手は他の対局で何度も打ってきた鈴木優さん(U-NEXT Pirates)、園田賢さん(赤坂ドリブンズ)、下石戟さん(BEAST X)だったんで、気持ち的にはリラックスできていた気はします。結果は3着でしたが、最終局でツモアガリトップ条件は残せたので、自分の中では精一杯やれた実感はありました」

個人初勝利はチームの初勝利でもあった。「初勝利は家族と嫁さんには報告しましたね」©︎ABEMA

Mリーグ参戦以降、日常生活に変化はありましたか?

 Mリーグは19時から2試合行われるが、試合進行によっては帰宅が深夜になることも少なくはない。「寝つきはいいほうだったんですが、Mリーグが始まってからは試合後に牌譜検討したりしているので夜型になりました。寝れなくなることもたまにあるので、ランニングして体を疲れさせてから寝たり、雨の音をYouTubeで探して聴きながら寝ることもあります。やはり睡眠はしっかり取らないと、対局内容のクオリティに影響すると思うんですよね」

「EARTH JETSの川村芳範監督は、チームが苦しい時でもメークミラクルや!という感じでポジティブに捉えてくれています。最終的には結果で恩返したいですね」

Mリーガーになってから実感したことは?

 EARTH JETSの新規参入により、Mリーグは2025-26シーズンから10チームとなった。「自分が試合に出るより応援するほうが体力を使うことを実感しました。なのでファンの皆さんはめちゃくちゃ大変だと思いましたね。控室でチームメイトの応援を全力でするんですが、声が枯れてしまうんです(笑)。麻雀は個人競技で自分が頑張ればいいと思ってやって来たんですが、Mリーグのおかげで、応援文化に触れることができました。麻雀中は感情的になったらよくないんですが、Mリーグの応援は熱くなれるんですよね。チームメイトの試合は、毎回感情むき出しで必死に応援していますね」

◆取材構成:福山純生(雀聖アワー)

石井一馬(いしい・かづま)プロフィール

1986年2月21日、東京都出身。A型。最高位戦日本プロ麻雀協会、EARTH JETS所属。主な獲得タイトルは第21期麻雀マスターズ、第41期王位戦、第10・18期飯田正人杯最高位戦Classic、第49期最高位、第1期蒼翼戦他。著書は「麻雀偏差値70へのメソッド」(竹書房)他。勝負めしはとんかつ。

▼Youtube「石井一馬のづまチャンネル」

石井一馬 年表
年齢 主な出来事
1986 0歳 東京都にて3人兄弟の長男として誕生
1992 6歳 ファミコンに夢中だった小学生時代
2000 14歳 父親から勧められて麻雀と出会う
2002 16歳 高校では剣道部に所属
2005 19歳 千葉工業大学に入学後、1カ月で退学
最高位戦日本プロ麻雀協会にプロ入り
2012 26歳 第21期麻雀マスターズ 優勝
2015 29歳 第41期王位戦 優勝
第10期飯田正人杯最高位戦Classic 優勝
2024 37歳 第18期飯田正人杯最高位戦Classic優勝
2025 38歳 第49期最高位
EARTH JETSからドラフト1位指名を受ける

 

 

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