- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析21
リーチのように明確な指標があるならやむなく対応することになりますが、鳴き手となれば、「まだテンパイしていないかもしれない」と押しがちになります。鳴き手への対応が苦手な打ち手が多いのは、「自由に打ちたい」「対応させられるのはつまらない」という人の本能によるところが大きいかもしれません。
とりわけ打点もテンパイ率もよく分からない仕掛けに対しては対応を軽視しがちになりますが、赤アリルールではドラが固まっていて高打点というケースも珍しくありません。かといって高打点テンパイのような都合の悪いケースばかりを想定していれば今度は引き過ぎになってしまいます。
ではどの程度の手牌なら打点やテンパイ率がよく分からない仕掛けに対応すべきかという話になりますが、これについては、「1メンツ完成しても、次に浮いている危険牌を切るかどうか微妙」なら通ってない牌を止めるというのが一つの目安です。次の分析22でも取り上げられていますように、鳴き手への対応が苦手で放銃が多いタイプの打ち手は、「半歩」早めに降りることをお勧めします。
159ページはひとまずターツを残して打としがちですが、1メンツ完成したところであたりを押すに見合う手になりません。それなら1pが当たるケースもある以上、確実に通る切りで降ります。これが「半歩」早めに降りる感覚です。
163ページは、「まだ1フーロ」とだけ考えれば、1メンツできて1シャンテンになればまだ押せるとみて打としがちになります。しかし、できればメンゼンで高打点テンパイを狙いたいはずの上家がリャンメンチーとなれば1フーロでも警戒を強めるべきです。高打点テンパイの可能性が高いのであれば、1シャンテンになったところで勝負には見合わないので、トイメンに打つ可能性があるも切らずにメンツを崩す打でベタオリ。リャンメンチーという1つの要素だけで高打点と読むのは早計ですが、複数の要素が重なれば読みの信頼度も高まります。信頼度の高い仕掛けを見落とさないようにしたいものです。
第2章 分析22
分析21に引き続き、「一手進んでも押すに見合わないので半歩前から降りる」ケース。完全に降りるのであれば、別の他家がテンパイを入れることも想定し、共通安牌を残して今通っている牌を先に切るようにします。165、167ページの白残しはその典型例。手作りのうえでは不要牌だとうっかりツモ切りがちになりますが、局面に応じて残すべき牌は変わります。
半歩前から降りることを心がけていれば不用な放銃は減らせますし、失点を回避する最善の方法がアガリである以上、配牌から降りることは稀です。しかし、どんなセオリーにも例外が有り得ます。168ページのように極端な例なら、トイメンへの放銃を最低限に抑えるべく配牌から降りることになります。セオリーという言葉そのものではなく、あくまで目前の局面を優先して、先入観にとらわれない打牌選択を心がけたいものです。
現代麻雀の神ワザ
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