- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析18
「打点を作ると和了率は上がる」は流石に誇張表現に近く、「打点を作っても案外和了率は下がらない」というのが正確でしょう。ただ、分析5でも取り上げられているように、データによる麻雀研究が進んでから一時期は、打点よりアガリ率重視の風潮が強かったのもあり、そのあたりから麻雀を学ばれた方にとっては、「和了率は上がる」くらいの意識で手作りを進めた方がよいかもしれません。
ここでは他家の攻撃に押し返しやすくなることを和了率が上がる論拠とされていますが、鳴き手の場合は分析16のように、打点を作ると相手が押し返しづらく、他家のアガリ率が下がれば結果的に自分がアガれるケースが増えるというのも理由として挙げられます。巡目が深い時はどうしてもスピード優先になりがちですが、テンパイ料なら安手アガリと同程度に加点できるのもあり、容易に高打点への変化が期待できる手に関しては、巡目が深くても案外手変わりを狙えることが多いものです。
143ページに至っては先行リーチが入っているので、なおのこと目先のテンパイを優先しがちになりますが、これがまだ誰もテンパイしてなさそうなら、多くの打ち手が打を選ぶと思います。そう考えると優劣が微妙なものは別として、手牌だけならはっきり優劣に差がつくケースに関しては、案外手牌以外の要素が打牌判断に影響することは少ないのかもしれませんね。「状況が変わっても、必ずしも切る牌が変わるとは限らない。」このことも肝に銘じておきたいものです。
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