「何ツモったら何を切るかはツモる前に考えておく。」「ツモってから何を切るか考えていては遅い。」昔からよく言われる言葉です。確かにそれが理想ではありますが、人の思考力には限界があります。私自身は、「何を切るかはツモって考えるくらいでよい。ただし、ツモってから考えても間に合う程度には、手作りの知識を身につけることが望ましい。」と考えます。
麻雀牌は34種あります。明らかにツモ切ればよいだけの牌が大半だとしても、実際にツモってくるか分からない何種もの牌についてそれぞれ何を切るか考えるのはあまり効率がよいとは言えません。しかも、人は多かれ少なかれ、自分の手元にない牌を想定した何切るより、実際に14枚揃った状態から何を切るかの方が考えやすいものです。
オンライン麻雀では持ち時間があるので、誰しも何を切るか考えていて時間が足りなくなった経験があると思います。麻雀をあまり打ち慣れていない時期であればなおさらです。持ち時間が無い麻雀でも、ツモってから何を切るかで長考してしまうのは初心者にありがちなので、そこから強くなるためにも、「素早く打つことを心掛ける、素早く打てるように何を切るかはツモる前に考えておく。」こういったアドバイスがされてきたことはもっともなことではあります。
しかし、打牌選択についてあまり体系化が進んでいなかった一昔前ならともかく、現在では、「打牌選択で迷いやすいうえに、実戦でも頻出なケースで何を切るべきか。」について多数の例題とともに取り上げた戦術書が数多く出ております。 問題を数多く解いて知識を身につけることを目的とするのであれば、G・ウザク氏や雀ゴロK氏の著書がお勧めです。
私もサイト版「現代麻雀技術論」を執筆する以前はとにかく打牌が遅かったものですが、ツモる前に何を切るかを考えることより、手牌のパターン毎に何を切るかを知識として予め押さえておくことを心掛けた結果、ツモってから考えても十分過ぎるほど時間に余裕が取れるようになりました。もっとも、最近は折角十分に持ち時間があるにもかかわらず手拍子で打ってしまい、局面の変化を意識できていないが故のミスをしてしまうことも増えてしまったので、早く打てるようになることに越したことはないとはいえ、手拍子で打つ前に再度確認することを怠らないようにしなければと思うのでありました。