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第103回 ネマタの麻雀徒然草

第103回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

 「不要牌」が「河に並べる牌」なら、「有効牌」は「手牌に残す牌」のこと。有効牌には様々な性質のものがあります。異なる性質のものを直接比較することはできず、そのことが手作りを難しく、また面白くしているとも言えます。

 有効牌について、その性質から私は一次、二次、三次と3つに分けて把握しています。一次有効牌はアガリまでの手数を減らす牌。二次有効牌は一次有効牌の量を増やす牌や質(主に打点)を上げる牌、あるいはアガリまでの手数を変えずに打点を上げる牌。三次有効牌は、二次有効牌の量を増やす牌や質を上げる牌、あるいはそれ以外の理由で手牌に残される牌(安牌や、他家の攻撃に対して止める牌や、抱えておくことで他家に手牌を読まれにくくする牌)を指します。

 例えば、のペンチャンであれば、基本的にメンツができるが一次有効牌、メンツができる受け入れが増えるが二次有効牌、カンチャンが出来てリャンメン変化が増えるが三次有効牌になります。

 ただしこれは他に雀頭が有り、アガリまでの手数が最も少ないのがメンツ手で、をツモった場合に他に河に並べる牌が残っていることが前提です。もし雀頭が無いメンツ手であれば、に加えも一次有効牌。メンツ手よりチートイツの方がアガリまでの手数が少なければ、は一次有効牌、は二次有効牌になる場合もあれば、不要牌になる場合もあります。同様にも三次有効牌になる場合もあれば、不要牌になる場合もあります。

 ツモのリャンメン変化よりは、を手出しした時よりが出アガリしやすくなることを優先してをツモ切る場合は、は不要牌になります。また、がドラである場合、234三色のターツが揃う場合についてはが二次有効牌になります。このように部分だけ見る場合と全体を見る場合とで有効牌の性質が変わる場合や、有効牌が不要牌になる場合もあるので、基本的に手牌全体で見た場合の有効牌を考えます。

 例えば、

  ドラ

であれば、

一次有効牌は

二次有効牌は、または

三次有効牌はタンピン、345三色変化ができる中張牌、あるいはに変わる安牌、それ以外の何らかの理由でより残す牌になります。

 何が有効牌であるかを意識しておくことが重要なのは確かですが、それ以上に重要なことは、一次、二次、三次有効牌は必ず別個のものとして扱わねばならないことと、直接アガリに結び付く一次有効牌を最も優先して考慮すべきであるということです。一昔前は次元の違う有効牌を並列して、二次、三次有効牌の存在をやたらと強調することで手変わり待ちを推奨するような打牌解説をよく見かけました。

 麻雀の正解は「期待値を最大化させる選択」。言うなればどの袋にお金がたくさん入っているかを調べるようなもの。どちらのお金が多いかを調べるのであれば、誰しも一万円札の枚数から比較しますし、それさえ正しくできていれば、大抵はお金がたくさん入っている袋を選べるものです。一次有効牌が紙幣であれば、二次有効牌以降は硬貨。麻雀の有効牌については一万円札と100円玉ほど極端な差がつくわけでもないので、小銭の存在を毎回無視してよいというわけでもありませんが、多数の小銭にとらわれて、有効牌の枚数そのものではなく、金額の大小が問題であるという本質を見落とさないようにしたいものです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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