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第141回 ネマタの麻雀徒然草

第141回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

前回の件についてですが、まだ赤有りがさほどメジャーでなかった頃は、「最強クラス」と、「平均的なレベルの打ち手」に、今よりずっと大きな実力差があったためではないかと私は考えています。

これは研究が進み戦術が洗練されたことで平均レベルが上がったからというわけではなく(そもそも現在でも、戦術本等で麻雀の打ち方を学ぶ人はどちらかといえば少数派)、単純に麻雀人口が今より遥かに多かったというのが大きな理由です。

麻雀新聞ー麻雀の社会学「第二章 麻雀の現状」


昭和40年代、麻雀人口は2千万人以上、雀荘は全国で3万5千軒以上あったといわれます。それこそ現在のコンビニのような感覚で雀荘が点在していたということになります。まだTVゲームも無い時代。麻雀を覚えたての打ち手が雀荘に足を運ぶというのも、当時は珍しくない光景ではなかったものと思われます。

私は最強クラスには程遠い打ち手ですが、学生時代のクラス内の麻雀では、それなりに打ち慣れた相手が混じっていてもトップ率4割はありました。麻雀はたまに打つ程度の仲間内で卓を囲むのであれば、赤ドラの有無に関わらず、平均順位で2.0位を切るのも難しくないと考えています。もし最強クラスであれば前回挙げたような、平均順位にして1.9というとてつもない好成績を挙げたとしても不思議ではありません。

また、これは将棋の話になりますが、江戸時代の名人であっても、現在のアマチュアのトップクラス以上、中にはプロ棋士と比較しても遜色ない実力の指し手も居たことがAIを利用した研究によって判明しています。

DG Lab Hausー史上最強棋士はだれか 将棋AIが出した答えは

将棋が序盤の駒組より終盤の寄せの精度こそ実力差が現れやすいのと同じように、麻雀も序盤の手組より押し引きの精度にこそ実力差が出ます。麻雀は将棋より歴史が浅く、しかも研究もそれほど進んでいるわけではないのですから、
昔の戦術本に誤りが多かったとしても、「最強クラス」の打ち手に関しては、今も昔もそれほど実力は変わらなかったとみます。

今の雀荘ではとても考えられないような好成績を挙げる打ち手がいたというのが事実だとしても、それはルールの差ではなく、「定期的に麻雀をたしなむ人の平均的な実力」が今よりずっと低く、「最強クラスの打ち手の実力」は今とそれほど変わらないが故に生じた、実力の格差が原因ではなかったでしょうか。

現在においても、どちらかと言えば赤無しの方が、実力に大きな開きのある打ち手同士が同卓することが多いように思います。赤無しがトッププロ同士の対局から、初心者向けの麻雀教室でも遊ばれるのに対して、赤有りが主にプレイされるのは、今となっては初心者が参戦するには障壁が多いフリー雀荘か、成績による選抜要素があるオンライン麻雀。天鳳の鳳凰卓プレイヤーが、健康麻雀の集まりで年輩の方相手に、申し訳ないほど勝ってしまうという話を聞いたこともあります。

これは極端な例ではありますが、日本のリーチ麻雀の範疇においては、ルールの違いで麻雀のゲーム性が大きく変わるわけではありません。よって、運の要素が少ないから、技術介入要素が大きいから勝ちやすいというよりは、単に普段同卓している打ち手の実力がどの程度かに大きく依存するというのは間違いないでしょう。身も蓋もない話ではありますが、同卓者が自分より強いかどうか程度は分かっても、「どの程度」の実力差があるかを正確に測るのは、成績が記録されるオンライン麻雀ですら難しいもの。たまたま運がよく、対戦相手とも実力差があるから勝っていただけの話を、このルールなら実力差が出やすいと誤解する打ち手が後を絶たないもの致し方ないことかもしれません。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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