2月8日に開催された第18期雀竜位決定戦2日目の戦い6回戦の観戦記!著者は雀王戦B1/女流Bリーグ所属の庄司麗子プロ(@reiko_s59)です。
【更新情報】
— 日本プロ麻雀協会 (@ClubNPM) February 11, 2020
第18期雀竜位決定戦2日目 6回戦目の観戦記をアップ。https://t.co/gtDLmdq81q
(文:庄司 麗子)
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当観戦記は日本プロ麻雀協会公式HPにて公開されたものの転載になります。
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6回戦(吉田→坂本→矢島→千貫)抜:大浜
【担当記者:庄司 麗子】
過去の雀竜決定戦で、最終日に400ポイント差をひっくり返して優勝した選手がいた。
このような逆転劇の可能性を秘めている協会ルールにおいては、今日を生き残ることが最優先。
とは言え現状のポイントを加味すれば、自ずと各者の選択には差が出ると考えられる。
吉田:自身のポイントの積み上げは勿論、それが難しい局面ではポイントの近い千貫・大浜の着順を意識する。
坂本:初日の貯金があるため敗退をほぼ意識することなく、ゲーム進行や局単位の押し引きを状況に合わせ自由に判断できる。
矢島:坂本の独走は許したくないが、ラスが続くと初日の貯金がなくなるどころか敗退の可能性すらある。
千貫:優勝のためには上位陣のポイントも意識したいが、トータル最下位の吉田からターゲットにされるため、そちらも意識しながらの選択が迫られる。
大浜:この半荘は抜け番のため、結果次第で方向性が変わりそうなポイント状況。
【爆牌炸裂!?】
吉田、打のダマテンを選択した次巡に生牌のをツモ切り。
このをポンした矢島のテンパイ打牌を捕らえ、僅差のトップ目に立つ。
【意地の4000オール】
序盤に失点の続いた矢島。
ドラ1のカンチャン待ちだが、これをツモると裏も乗り4000オールのアガリとなり原点復帰。
『競技麻雀はリーチ+1飜の手作りを意識すること』
勉強会でよく矢島が口にする言葉を思い出した。
【雨が降ると遊びに行けないのね】
親番の千貫、矢島のリーチを受けている局面での最終手番。
が通りのワンチャンスにはなっているが、ここは撤退。
吉田がラス目の現在、ラス親が残っているとはいえ失点は避けたいところ。
長考の末は押すも、次巡ので撤退。
こちらも撤退。
対局を楽しむ様子が伝わってきた初日とは違い我慢の表情が続く。
そんな千貫が「今日はお留守番よ」と言われた子供のように見えてならない。
押したい牌もあっただろうが、途中敗退を意識してか初日に比べてオリに回る場面が多かったように思う。
【セレブ打ち】
リードを盾に打てていたのは坂本。
親番の吉田に3900を放銃した次局、役牌の対子落としでテンパイ取らず。
絶好の四面張になりリーチをかけると、トップ目で親の吉田から出たを見逃す。
坂本の目からはが全部見えているので、この待ちはまだ山にいると踏むと、その選択が功を奏し最終手番でツモアガリ。
【苦汁を飲まされる男】
見逃しからのツモアガリで気持ちよく親番を迎えた坂本が、ピンフドラ2のリーチ。
そのリーチの一発目にを押してきたのは吉田。
この放銃で吉田は一気にトップ目からラス目へ転落。
坂本には初日から苦汁を飲まされ続けてきたが、「ここでもか…」とため息がもれる。
【生き残りをかけて】
慎重に点差確認をする吉田。
トータルポイント的には国士に向かいたいところだが、敗退回避を考えると千貫がラス目の親番のため長引かせずこのまま終わらせたい。
しっかりと状況に合わせた手作りでこれをチャンタに仕上げ、千貫との2着ラスの並びを作りこの半荘を締めくくった。
(文:庄司 麗子)