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もっと勝つための現代麻雀技術論 第59回 「2シャンテン 浮き牌の扱い②」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第59回 「2シャンテン 浮き牌の扱い②」

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 面子候補オーバーで、浮き牌がドラや手役絡みのケースを考えます。

 「ドラでなければ切る」という理由で、残すと受け入れが狭くなるなら使いにくいドラは切るという打ち手もいます。

 しかし、その選択は特に面子候補オーバーの場合は損であることが多いです。

 面子候補オーバーなら面子候補を1つ落としてもシャンテン数を維持できるので、落とした面子候補が先に面子になってしまわない限りは、高打点への変化が残るドラの浮き牌が残っていた方が、「よい手」であるからです。

 より高打点を狙うメリットがあまりない、面子候補が全て手役絡みで、ドラはその手役に関連しないといったケースを除き、面子候補オーバーなら浮き牌ドラは優先的に残します。

 手役絡みの浮き牌も同じことが言えます。

 特に面子候補になれば打点を大幅に上げることができるような浮き牌であれば、たとえ字牌であっても良形の面子候補より優先して残す場合もあります。

 ドラ

  面子候補オーバーかつ、が重なればホンイツトイトイ白中の跳満まで見えるので落とし。

 白が重なってを落としているうちに更にを引いて大三元になる可能性も稀にあります。

 狙うほどではないですが、

 面子候補オーバー→面子候補十分→面子候補オーバー→面子候補十分

 を繰り返して打点がどんどん上がる可能性が残るのも、浮き牌を残して面子候補十分に受けることの強みです。

 ドラ

 を残すと123、234三色変化が残ります。
 三色になること自体はあまりないですが、面子候補オーバーしている悪形面子候補くらいなら切ってもアガリ率はさほど落ちないので打が有力とみます。

 この手も変化を繰り返して、

 ドラ

 リーチツモ

 のような三倍満になる可能性も一応あります。 

 ドラ

 一見打ですが、が無くても受けが残るので、このの形のは受けがかぶっている悪形面子候補。

 面子候補オーバーならを残すメリットはほぼありません

 それなら、打としてを残すことで、234、345三色の変化を残します。

 ここから三色になる可能性は、一つ前の手牌からを残して三色になる可能性より更に低いですが、ほぼ不要牌であるとの比較ですから残しが有利です。

  出題元は2008年 10月号の『GAME JAPAN』の小林プロの講座から。

 小林プロ曰く、「生涯最高の何切る」とのことです。

 リャンカンを真ん中から切るのは非常に盲点になりやすいですが、これも、面子候補が足りているかどうかで手牌のパターン分けができていれば論理的に答えを導き出すことができます。

 

 今回も問題を出題します。

 問 
 あなたは鳴いて確定数え役満をテンパイしていて、見事アガリ牌をつもりました。
 しかし何と、他家は三人ともダマで自分と待ち牌が同じ、しかもあなたのアガリ牌であがれば出アガリでも全員数え役満でした。
 条件を満たすような一例を挙げて下さい。
 ルールは天鳳ルール(段位戦赤アリ)とします。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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